ままごと遊びをする三姉妹。

人形と紅茶カップを握る

小さな手が止まり

何かを振り返った直後、

操られるように窓から飛びだした。

庭にいる母親の悲鳴が響く。

「私の娘たちが!!!」

田舎町で子供の病死や事故死が相次ぐ。

「イールマーシュの呪い」と呼ばれる

怪奇現象を誰も止められない。

 

 

 

ウーマン・イン・ブラック

亡霊の館

2012年

ジェームズ・ワトキンス監督

ダニエル・ラドクリフ

キアラン・ハインズ

ジャネット・マクティア

ハマーフィルム製作のゴシックホラー。

中田秀夫監督「リング」みたいに

幼い息子を呪いから守ろうと

パパさんが黒衣の女の霊に挑みます。

ハリポタのダニエル・ラドクリフが

お父さん役です。

クラシカルな19世紀と

相性が良い俳優さんですね。

蝋燭を手に謎に挑む姿がしっくりきますOK

 

 陰鬱な雰囲気

に建つ屋敷は、

引き潮になると一本道が現れ、

満潮になると孤島になります。

この設定自体が不気味。

屋敷の装飾、からくり人形、

猿のオルゴール、

何かを感じて吠える犬

死者からのメッセージ

降霊など

オカルト演出がてんこ盛り!!

 

 実力派女優

呪いで息子を亡くした女性を

ジャネット・マクティアが演じています。

「アルバート氏の人生」では

男性にしかみえない見事な演技でした。

今作では

心の病のようにも

霊が憑依したようにも

どちらにも見える表現力で

作品に深みを与えていますよ。

 

 

 感想

母の念(愛)は底なし沼。

子を奪われた無念

子を失った怨念

それは永遠に癒えない苦しみ。

弁護士アーサーは妻を出産で失い

息子を一人で育てている。

ある日、遺言状を探す仕事が入り

現地へ向かうと、

なぜか町ぐるみで追い返そうとする。

 

強引にイールマーシュ館を訪れ

そこで不気味な黒衣の女を目撃。

そのとたん、怪異な出来事が増え

子どもの不審死が

起きてしまう。

あんた、アレを見たんだね?

人々から白い目で睨まれ

宿を追われたアーサーは

行き場がなくなります。

そんな彼を自宅へ招いてくれたのは

裕福なデイリー夫妻。

「息子が生きていれば君の年頃だ。

妻の前ではこどもの話題は避けてくれ」

夫人もアーサーを歓迎し

「そろそろ夕食にしましょう。

双子も一緒にいいかしら?」

 

しかし、

連れてきた双子というのが…

2匹のチワワ。

固まるアーサー。

気まずそうにサムが説明する。

「妻は心の病なんだ。

息子の霊が憑依してると

信じている。妄想だよ。

君だって霊を信じないだろ?

アーサー

「ええ。昔は信じていませんでした。

妻が亡くなるまではね。

今は、彼女が近くにいると感じます」

それを聞いたサムの表情が曇る。

「心の隙があると危険だ。

影を追うんじゃないぞ

やがて、手紙や書類、写真から

館で起きた悲劇を知る。

エリザベスの息子の死が

どういう状況だったのかも

明らかになり・・・

夫人の顔つきが変わる。

彼女の口から男の子の声が発せられ

怯えた表情で

何かを伝えようと

拾った石で何か刻みはじめた。

霊からのメッセージは⁈

僕の息子が描いたイラストと同じ!

まさか、次のターゲットは…

黒衣の女は亡くしたわが子の代わりに

大勢の子どもたちを

取り込んでいく。

「大変だ!もうすぐ金曜日。

ジョセフがこの町にやってくる」

はやく呪いを解かねば。

タイムリミットが迫るなか

アーサーは悲劇の原点

沼へ向かう。

沼のシーンがハラハラしますガーン

はたしてアーサー父子の運命は?

霊を鎮めることができるのか?

悲憤する霊、

そして

異色のハッピーエンド。

しみじみとを感じるホラーでした。