結婚3年目。

妻が自分との結婚生活を

どう思っているか自信が持てない。

そんな矢先、仕事から帰宅すると

妻が血まみれで死んでいた。

慌てて救急車を呼ぼうとしたら

彼女の手が僕の足首をむんずと掴んだ?!

笑いながら、血のり(ケチャップ)で

オムライスにスマイルを書いている。

「一体どういうつもりだろう?

僕に対する嫌がらせ?

死んだふりなんかしないで

言いたいことがあれば

ハッキリ言ってくれよ~」

妻は答える。

が綺麗ですね」

 

家に帰ると

妻が必ず死んだふりを

しています。

李闘士男監督

2018年

榮倉奈々

安田顕

大谷亮平

野々すみ花

夫婦ってなに?

結婚観をコミカル&ハートフルに描いた1本。

夫役の安田顕さんのモタつきぶりが素敵。

不思議ちゃん系の妻役は榮倉奈々さん。

大胆な行動で相手の心を和ませる人です。

旦那さんが

奥さんの気持ちを量りかねて

首をかしげる。

この戸惑いが夫婦にとって

いかに大事なことか

気づかせてくれるお話です。

 

 

  夫婦いろいろ

主人公の加賀美夫婦と

対照的な佐野夫婦のやりとりが

物語のアクセントになっていますよ。

「どうせ夫婦なんてわかりあえない」

佐野さんは結婚して5年。

妻の知らない一面を垣間見る。

妻がワニ好きだって知らなかった。

空手やってたことも意外だった。

結婚するといろいろある。

互いの親戚の声「赤ちゃんはまだ?」

2人のプレッシャーが重くなり

いつしか互いの心を見失っていた。

 

「今の奥さんと無理して暮らすより

他をあたったほうが手っ取り早い。

今回は諦めよう」

奥さんは、

「たとえ別れ話でも、

彼が私のことを久しぶりに

ユミコ(名前)って呼んでくれた。

そのことがしかった」

切ない表情を浮かべる。

好きだけど別れる。

好きだから離れる。

そういう夫婦の道もあるんだなぁ。

切ないけど、それも人生の味わいだなぁ。

 

 

  感想

人生には3つの坂がある。

 

上り坂、下り坂、まさか

 

人間、いつ何が起こるかわからない。

 

じゅんさん(夫)は

前妻とは3年で離婚。

いまだに理由がわからない。

 

だから、ひょっとして

今回も同じ道をたどるんじゃないか心配。

 

もうすぐ3年目の結婚記念日だ。

 

こわい…

 

浮かない顔のじゅんさん。

 

そのとき、

妻が変なことにハマりだした。

 

死んだフリごっこ

頭からワニに食われ

頭を矢で射られ、

戦死する兵士、

胸に十字架を打たれた吸血鬼、

ジュリエット

幽霊、

仕事から帰って、

ぼぉ~っとしたいのに

なんで急にこんな仕打ちをするの?

 

いつまで続ける気?

 

ちえさん(妻)の考えが読めないよ。

 

なのか?

 

パートでも出れば?

寂しいのか?

 

トモダチでも作れば?

 

誰かに妻のお守りをしてもらおう。

 

俺は、ゆっくりしたい。

 

彼女の好きな向日葵

ケーキを買って機嫌をとれば

やめるかな?

調子を合わせて

小芝居につきあえば

気がすむかな?

でも、相変わらず

「月が綺麗ですね」

訳のわからないことを言う。

 

友人夫婦が妻に質問する。

 

「ねぇ、ちえさん。

どうして結婚しようと思ったの?」

 

「はんぶんこ、できるから」

丸い最中アイスをはんぶんこ。

スパッと綺麗な半分にはならない。

小さい方と大きい方に分かれる。

でも、2つをくっつければ満月に。

夫婦の愛情もはんぶんこ。

綺麗に半分にならない。

愛の大きさは同じじゃない。

デコボコして、いびつな形だけど

2人が一緒に努力していけば

ちょうど良いサイズが見つかると思うんだよね。

カッコ悪くて不格好な形が

夫婦のカタチ。

じゅんさんはなかなか

奥さんの「月が綺麗ですね」の意味が

わからない。

月が綺麗…これって

有名なフレーズですよね?

たとえ、文学に詳しくなくても

知らなくたって、

彼女の言葉に関心をむけて

調べたり探してみれば

きっと答えにたどりつける。

でも、じゅんさんはスルー。

真剣に取り合いません。

ちえさんは、手を変え品を変え

ア・イ・シ・テ・ルのサインを

送り続けます。

旦那さんにわかってほしい。

だけど、

簡単にわかってほしくない。

女って、

厄介で面倒くさいものですよ(笑)

だけど

面倒くさくない愛なんて

あるのかなぁ?

 

親子だって、恋人だって、夫婦だって。

 

大事な人ほどメンドクサイもの。

 

 

ちえさんのお父さんが倒れ、

入院先の病院へ夫婦で見舞います。

 

奥さんの実家で

ついに、じゅんさんは気づく。

あっ!

そうだったのか・・・

気づかなくて、ごめん。

そして、義父から

ちえさんの幼少期の出来事を聞かされる。

 

父娘にそんなエピソードがあったとは。

 

結婚して3年経ったけど

お互いに知らないことが

まだ色々あるんだなぁ。

挙式したから、

籍をいれたから

夫婦が完成するわけじゃない。

ゆっくりじっくり

互いの変化に気づいたり

意外な一面を知るために

長い年月をかけて夫婦になる。