の中で幼女イリスが目覚め

白い制服姿の少女たちが周りを取り囲んだ。

墓場へ埋葬されるような入学式。

高い塀に囲まれた森の寄宿学校で

新入生となったイリスは、家に帰りたい。

が、塀の外に出るのは禁止。

「なぜ出てはいけないの?」

「外には変な人(男)がいるから」

最年長のビアンカは夜9時になると

街灯にそって森の奥へと消えていく。

ビアンカは何をしているんだろう?

不思議に思って後をつけると、

口笛を合図に秘密の館へと入っていった…

 

 

エコール

ルシール・アザリロヴィック監督

2004年

ゾエ・オークレール

ベランジェール・オーブルージュ

エレーヌ・ドゥ・フジュロール

マリオン・コティヤール

 

心が洗われる美しい映画もあれば

底意地の悪さが見え隠れする

美しい映画もあります。

今作は後者

まだ何色にも染まっていない

純白の少女たちの無邪気な仕草が

危うさと儚さ、ほのかなエロスを

醸し出します。

なぜ彼女たちは監視され、

なんのために森に幽閉されるのか?

年に一度、校長が来校する目的は?

いつ外に出られるのか?

卒業後はどうなるのか?

自由な解釈で読み解くダークファンタジー

 

 

  名画「踊子」のよう

ドガの「踊り子」

ドラマ化したような雰囲気があります。

懸命に踊る少女の身体を眺め、

値踏みするような男性のシルエット。

踊り子からは

男性(パトロン)の顔が

見えないし見てはならない。

今作にも似たような場面があり

際どい意味が込められているため、

心がザワザワしました(^^ゞ

 

 

  感想

「皆さんは青虫。

蝶になれない子もいるけど

皆は立派な蝶なってね。

それには…規則に従うこと。

脚を怪我せぬよう

美しく保ちなさい」

ダンスを教える女教師エヴァ。

マリオン・コティヤールが演じています。

学校の卒業生である彼女は

外の世界が楽園だと夢見ていた。

ところが社会に失望し学校へ出戻り、

仕方なく教師として暮らしている。

 

生物学の教師エディットも卒業生。

脚が不自由で杖をつく彼女は

外見重視の社会では輝けない。

女だけのコミュニティで

蝶を育てる役目を割り切って担っている。

「校長、美しい子が2名います。

今年は当たり年ですよ!

なんか怖いですねぇ💦


2人が勤める学校は

どういう場所でしょうか?

青虫である少女たちが

白い蝶になるまでの7年間、

外界から隔離し森の中で純粋培養し、

思春期になると男性社会へ供給するシステム。

少女に知識情報を与えると

自我が芽生えて扱いにくい。

だから、聞き分けが良く疑問を持たない

イノセント(無邪気)な乙女を作るため

世間の雑音から切り離し、

外世界への憧れをあおる。

もちろん、適応しない子も出てきます。

新入生のローラはホームシックで

新しい環境になじめず

ボートで脱出しようと試みます。

5年生のアリスは青田刈り審査に落ち

外に出るチャンスを逃したことに

不満を爆発させる。

自力で高い塀を昇り脱出を試みます。

真冬の深い森へ羽ばたく蝶の運命は…?

「服従こそが

(女の)幸福への道よ」

やがて最高学年になると、

秘密の館の大きな柱時計をくぐり

次のステップへ進む。

(こういう演出にセンスを感じるなぁ)

 

白い蝶の衣装をつけ舞台へ立つのです。

赤いカーテンの向こう側には男性たち。

はじめは見られながら踊ることに

なれず転ぶ。生理的な嫌悪と抵抗を示す。

 

なかには鎮静剤を打たれる子も…。

 

しかし、諦める訓練をつづけた子供たちは

徐々に慣れていく。


二次成長期をむかえると

「蝶が繁殖のパートナーを

みつける時期が来ましたよ」

いよいよ

列車に乗せられ男性社会へ。

少女たちは初めてみる広場の噴水に

靴と靴下をぬぎ、足をバタバタさせ、

水遊びをはじめる。

すると…

 

噴水ごしに少年たちがこちらを見つめ

集まってくる。

 

「先生。

私、これからどうなるの?」

原題はイノセント。

監督の毒センスが光る1本ですキラキラ