イギリスの元首相が自家用ジェットを降りてきた。

妻や秘書と言葉をかわすと一人の男に気づく。

「君は誰?」

「私はあなたのゴーストです」

自叙伝を書くために雇われたゴーストライター。

亡くなった前任者の代わりに執筆するのだ。

しかし出版社局長は首をかしげる。

「あいつは自殺なんて柄じゃない」

泥酔してフェリーから落ち溺死だなんて妙だ。

前任者は口封じされたのでは?

 

 

ゴーストライター

ロマン・ポランスキー監督

2010年

ユアン・マクレガー

ピアース・プロスナン

キム・キャトラル

オリヴィア・ウィリアムズ

ティモシー・ハットン

 

今年こそみるぞと思っていた人気ミステリーを

BS松竹東急で放送してくれたのでラッキー星

ご覧になった方、おられるのかな?

 

アメリカなのに英国的な島の景色

ヒッチコック映画のような

巻きこまれ型サスペンス。

知りすぎた男に危険が迫る話です。

 

ジェームズ・スチュアートのように

ユアン・マクレガーが隙だらけで

おっかなびっくり進んでいく姿が面白い。

 

作中に名前がでない主人公なので、

「レベッカ」のヒロインと同じ設定です。

 

首相を演じるのはピアース・プロスナン

凄くぴったりな役

演劇仕込みの大袈裟な立ち居振る舞い、

政治家の素質はないのに

ハッタリをかます姿がペテン師っぽい爆  笑

衝撃の展開からどんでん返し、そして

華麗な結末へ着地する傑作です拍手拍手

 運命

主人公ゴーストは

前任者と同じ運命を辿りたくない。

あえて別の道を選ぶけど

得体のしれない力によって導かれていく。

亡くなった男の部屋を使い、

同じに乗り、同じに惑わされ

同じキーマンに会い尾行される。

深みにはまっていく流れがたまらないラブ

 女はミステリー

首相の秘書(愛人)

孤独な首相の

夫不在で心細げに

ゴーストに頼り、

「オダリスク」「オランピア」風のポーズで

誘惑する。

主人公は自分に言い聞かせる。

やめておけ」と。でも…笑

 感想

「売れる自伝に必要なのはハートだ。

読者はリアルな

ラング首相を知りたがる。

人物像に迫らなきゃダメだ。

僕なら政治的なことに疎い分、深堀りできる」

 

ゴーストは面接で熱く語り、見事採用される。

出版社のNY支局長が釘をさす。

「忘れるな。ハートだぞ」

元首相の美談になりそうなネタを収集したい。

「憎まれ愛される気分は?

なぜ政治家を目指すようになったの?

心に火がついたのはいつ?」

 

しかし、大学時代について歯切れが悪い。

はぐらかされてしまう。

折しも、

首相の戦犯疑惑報道がTV速報され

邸宅付近に平和デモ・マスコミがおしよせる。

その中には戦争で息子を失った元軍人も。

ゴーストは前任者マカラの部屋をあてがわれ、

彼の私物を片付けはじめると

引き出しの裏に貼られた封筒に気づく気づき

首相の経歴に矛盾があるぞ??

島の老人はいう。

「ここの潮流で遺体が流れ着くはずない。

しかも目撃者が階段から落ちて昏睡状態だ」

 

何かが真実を葬り去ろうとしている?!

俺は、マカラの二の舞は嫌だ。

車のナビを無視して逆方向へ走るが…

謎解きに惹かれる自分。

記録されたカーナビをたどって進んでいく。

フェリーに乗り、森の中へ走らせる。

 

すると白い柵にたどりついた。

 

首相が触れたがらなかった教授の家。

 

教授の家を出ると、黒い車に追跡され

スピードをあげるとぴったりついてくる。

フェリーの最終便にゲートが締まる間際、

すべりこみ乗船できた。

よし、もう追ってはこれまい。

 

が!

ゲートが開き車が船に乗り込んできた!

殺し屋?

 

船が離岸する直前、

ランプウェイ(乗船スロープ)をジャンプし

車を残して、陸へと戻る。

そして…前任者の正体を知り

首相の正体も明らかになる。

ところが、思いがけない事態が起こり

自叙伝は首相の正体を封印したまま

完成することに。

出版記念パーティに出席するゴースト。

秘書の言葉から

まだ見落としていたものがあると気づく。

原稿の冒頭に隠された文字を

つなげていくと…

首相を操っていた黒幕の正体が解った!

そうだったのか。。

彼が真実をしたためた

告発のメモが

パーティの出席者の

手から手へと

前へ前へわたっていく。

どうなるのか?

 

ワクワクしますねぇ。

 

いよいよ、

主催者のスピーチが終わり、

 

乾杯の音頭へ。

 

ついにメモが主催者の手へ。

にこやかに紙を広げる主催者。

 

みるみるその顔が凍りつき、驚愕の表情に。

 

視線の先には

グラスをあげて乾杯をするゴーストが!

危険を承知で正義の側についた男。

 

”ゴーストにもがある”

 

冒頭と同じ場所のラストシーンが

最高にCOOL!

 

ポランスキー監督って

人間の力が及ばない運命

描く職人だなぁと感心しました。