叔父の不気味な視線から逃れたい。
つきまといを撒いたつもりが
いつの間にか階段の上に。
「僕に怯えているね。
君より高い位置にいるからだろ?」
彼女はゆっくり階段をのぼり、
彼と肩をならべ、対等になる。
さらに1段あがり振り返る。
やがて上から冷ややかに見下ろすようになる。
獣は立ち位置で優位を示すもの。
イノセント・ガーデン
パク・チャヌク監督
トニー・スコット監督
リドリー・スコット監督
2013年
ミア・ワシコウスカ
ニコール・キッドマン
マシュー・グード
ジャッキー・ウィーヴァー
オールデン・エアエンライク
18歳の娘が大人の階段をのぼり
野性的な自分を受け入れる成長物語。
サイコスリラーやバンパイア風味のホラー映画。
(画像お借りしました)
ミア・ワシコウスカが妖精のよう。
瞳がランランと輝きだします。
ニコール・キッドマンが母親役です。
愛に奔放な自分を抑え、
欲求不満を抱えているところへ
若き日の夫を思い出すような
イケメン義弟がやってきて…
動物は道徳・倫理ではなく
与えられた本能で生きる。
食欲・性欲のおもむくままに。
人間に潜む野性を描いたアート作品です。
効果音とカットバックの技
ヒロインは超感覚過敏で
かすかな音が巨大な音に聞こえ、
身体に触れられることもハグも苦手。
チャーリー叔父さんも同じ。
ヒソヒソ声、メトロノーム音、
ヒールのコツコツという靴音、
卵の殻を割る音、蝿の羽音、
ベルトをはずすキュルキュル音。
音に殺されそうな気分になります。
殺人が起きる前兆として
TVで猛禽類のドキュメンタリー番組が
流れはじめます。
ワシが獲物の肉をついばむ姿が映り
「獲物は狩られる瞬間まで、
危険があることに気づかない」
ナレーションと殺人が交互に挿入され
スリル抜群
感想
花が色を選べないように、
どんな人間に生まれるか選べない。
鋭い感覚を持つインディアは、
花瓶の内側の模様まで見通せる。
18歳の誕生日。
「遺産とか相続より
もっと重大な問題を片付けないと。
電話してみるが
出ない。
耳をすますと、かすかに着信音が聞こえる。
庭に置かれた白い百合の下!?
足元の地面に耳をつけてみた。
!!!!
チャーリー叔父さんが言っていたっけ。
「この庭の土はやわらかくて掘りやすい」
家政婦、大叔母、同級生、
1人また一人と消えていく。
そしてついに
インディアは秘密を知るのです。
世界を旅してきた叔父さんからの
私あての大量の手紙。
長年愛情を注いでくれていたのか?
叔父を見直す気持ちと嬉しさで
胸が高鳴るが…差出先に呆然。
父がなぜ弟の存在を隠したのか?
なぜ私を頻繁に狩へ連れて行ったのか?
わたしの中に流れる叔父の血。
快楽殺人鬼の血。
今にして思えば、
「悪いことを小出しにすれば、
最悪のことはしないものだ」
父は、娘の狂暴性のガスぬきに狩猟をさせていた。
叔父さんは私を継承者に選び
コンビの靴を卒業しハイヒールを履かせる。
脳裏に父の声がする。
「獲物が油断するまで待て。
まだ仕留めてはいけない」
さぁ、この結末はどうなる?
物音をたてず、じっと時を待つ。
そして…
ママのブラウス(女の性)を着て
パパのベルト(知恵と冷静さ)を締め
叔父の靴(本能)を履く。
これが私だ。
![ハート](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/081.png)
※個人的にはヒッチコックのオマージュが
多用されていて萌えました💓