「何の目的で地球にきたの?」

この質問の答えが聞きたい。

一刻も早く知りたい。

突然、出現した巨大な物体。

環境を破壊せず、生態系も乱さない。

しかし、地球人は戦々恐々。

沈黙の存在

得体がしれなくて怖い。

ウィルス対策のワクチンを打ち、

オレンジ色の防護服に身を包んだ

言語学者と科学者が宇宙船に入る。

「私は人間です」「私も人間です」

「あなたはだれ?」

 

 

メッセージ

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

2016年

エイミー・アダムス

ジェレミー・レナー

フォレスト・ウィテカー

(画像お借りしました)

 

公開当時、宇宙船の形が

ハッピーターン、柿の種に似ていると

話題になってましたね。

土曜洋画劇場を視聴しました。

すごくすごく面白い。

 

我が家は今、

コミュニケーションの壁

ぶつかってる真っ最中
話が通じない。

理解できない。

娘と夫が冷戦状態です。

日本人同士、

同じ遺伝子を持っていても

物事の捉え方、言葉の選び方が違う。

愛情表現もちがう。

ことばの取扱いによっては

誤解や軋轢がうまれます。

そんなタイミングで

宇宙人と地球人が

相手のサインをよく観察し、

心の声をよく聴くという、

コミュニケーションの基本のキの字

詰まった映画に出会えるとは照れ

「未知との遭遇」「コンタクト」に似てるけど、

私が思い浮かべたのは「奇跡の人」

 

ヘレンケラーとサリバン先生の

意思疎通をどうやって図るのか、

奮闘する過程を思い出しました。

 

あちらは体当たりの奮闘劇でしたが、

こちらは静かな静かな対話です。

 

宇宙人からの12個の贈り物を

地球人はちゃんと理解して

受け取ることができるのか?

その能力が問われる物語。

 

 

感想

今、ここを大切に
 

主人公ルイーズが宇宙人との接触を

はじめると、フラッシュバックが起こる。

娘が生まれ、育ち、病床へ。

喜び、驚き、悲しみ、喪失感が頭に浮かぶ。

 

せつない回想シーンですが

これは過去の出来事?

 

娘がパパ・ママ・籠の鳥をお絵描き。

粘土遊びにタコ足生物が⁈

これはいつの出来事?

我々の思い込みを利用した

不思議な演出に心を掴まれ、

美しいどんでん返し

「そういうことか!!と感動しましたキラキラ


 

言語学者ルイーズ、科学者イアンが

7本足の宇宙人に名前をつける。

 

アボットとコステロ。

わぁ~、なつかしい!

子どもの頃にアニメ番組やってたっけ。

凸凹コンビ。

相手を名前で呼ぶと

親近感がわき、恐怖がやわらぐ。

 

答えを焦る軍を横目に、

慎重に解読していく2人

墨汁を水の上に垂らし、

円を描いたような視覚言語。

ちょっとのような雰囲気があって

知的に見えますね。

 

武器という単語がでてくる。

 

「武器をもっているぞ」という脅しなのか?

「武器をください」という要求なのか?

武器ということばの持つ意味とは?

 

道具とも考えられる、

強み、特技、才能とも言い換えられる。

 

訳し方によって、

攻撃称賛提案・・・

方向性が変わるからちょっと怖いです。

 

翻訳というお仕事は、

かなりリスクを伴う行為なんだぁおねがい面白い。

想像力のない人

言葉をストレートに解釈してしまう。

 

奴らは宣戦布告する気だ!

攻撃される前に、軍事力をみせつけてやろう!

戦争しよう、そうしよう!

勇み足になる。

宇宙人の本来の目的とは違う、

あさっての方向へ

舵をきる国がでてきます。

 

12の国が情報を共有していたのに、

一抜け二抜け。

バラバラになっていく。

さぁ、大変!!

ルイーズはあきらめず、

ひたすらアボットとコステロの声に耳を傾ける。

”やがて訪れるのために

世界が一つに団結してほしい

今、我々が人類を救い、

将来、人類に助けられる時がくるのだから”

宇宙人のメッセージを

くみ取ったルイーズの決断とは?

彼女は言語解析という武器の他にも

武器(特殊能力)を持っていました。

 

その特別な能力とは?

本編をご覧になってくださいね

 

相棒イアンの言葉が良いですねぇ。

 

「ずっと宇宙へ行って
異星人に会いたかった。

でも、異星人との出会いより

愛する人との出会いの方がもっと大事

たとえ未来がわかっていても、

結末がわかっていても、

やはりこの人と共に生きる

人生を選びたい

一瞬一瞬を噛みしめて生きたい。

そう決断するヒロインの強さが心にしみました。

 

地球規模のメッセージとしても

人生へのメッセージとしても

深い趣きを感じる1本です。