女子高生が初めてヤクザの事務所に入ると
掛け軸に四代目組長 星泉。
自分と同じ名前⁈
「お嬢さん大丈夫です。
組長に年齢性別の制限はありません。
経験積めばいいんですよ」
「ケンカ・バクチ・人殺しとか
そーゆー経験ですかっ⁈」
彼女が色んな経験を積んでいく物語。
「セーラー服と機関銃」相米慎二監督1981年
薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦、柄本明、風祭ゆき
(画像お借りしました)
カ・イ・カ・ンでお馴染みの角川作品。
「快感とは死と隣り合っているものだ」と言うセリフ。
生と死、ぎりぎりの世界で生きている者たちが
滑稽で、切なく、ピュアで愛しくなってきますよ。
2組のヤクザ父娘を主軸に、
女子高生の成長を描いています。
![おねがい](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png)
人間ドラマ×コミカル×アバンギャルド×名台詞に感動です。
様々な映画のパロディが詰め込まれたシュールな演出!
映画好きさんがクスッと笑える作りになっていたんですね。
ラガーシャツに短パン姿の少年みたいな娘が
終盤では貴婦人洋装になり、最後は制服&赤いパンプス姿で通風孔の上へ。
マリリンモンローのように。
【あらすじ】
交通事故死した父の代わりに、女子高生が目高組を継ぐが
自宅が荒らされ、組員が襲われる。
しかも父は事故でなく殺害されたらしい・・・
【感想】
半分しか知らなかった。
泉は火葬場で背中を反らしブリッジをする。
父が燃えて灰になるまでの間、
故人が好きだった♪カスバの女♪を口ずさみながら
涙をこらえて唄う。
父には愛人がいたんだ。
しかもヤクザの組長の息子だった。
泉は、父の妻役、娘役、母親役をやってきたつもり。
だけど父の半分しか知らなかった。
「世の中、嫌なこといっぱい」お供えの果物をかじる。
滅入る気持ちを吹き飛ばすように、バイクの後ろに乗って爆走する。
「組長、俺の背中、雨降ってますよ。びしょぬれですよ」
「だいじょうぶ、もう晴れたから」
人前で涙をみせない気が強くて勇敢なお嬢さん。
一人で他の組に乗り込んでいきます。
クレーンに吊るされ、セメント風呂になんども浸かる。
よく考えたら残酷だけど、なんだか笑えてくるんですよね。
薬師丸ひろ子さんのジタバタぶりが可愛くて。
そんな向こう見ずなお嬢さんを見守るのは、父の愛人マユミ。
マユミと父は、どちらもヤクザの親を持つ身。
親の生き方に反発して家を出た男女。
似た者同士で惹かれ合っていた。
彼女も♪カスバの女♪を口ずさむ。
泉の父を忘れられなくて。
バーの中でマユミが歌い、
店の外で泉が歌う。
涙じゃないのよ 浮気な雨
どおせ カスバの夜 酒場の女の薄情け
やるせない気持ちを
店の中と外で共有する名シーン。
そして、2人は立ち向かう相手へそれぞれ決着をつける。
マユミは山荘で実父と対決!
泉は父を奪った元凶へマシンガンをぶっ放す!
カ・イ・カ・ン
生まれてはじめて裏社会を知った泉。
渡瀬恒彦さん演じるヤクザの台詞にぐっときました。
「自分の腐った嫌なにおいがやりきれなくて
自分よりもっと腐ったものに、のめっていく。
そうしないと1日のおわりがせつなくて。
そうやって、その日、その日を生きていく」
裏稼業から足を洗いたくても、先に進むのが怖い。
泥につかって生きる臆病者なんだ・・・と吐露する男。
そんな彼のことを泉は・・・
生まれてはじめての口づけを
中年のオジンにあげてしまいました。
私、愚かな女になりそうです まる
80年代の邦画、とっても新鮮でした