この女はシロだな。

人は騙せても発見器は騙せないはず。

同僚の言葉に異を唱える刑事ニック。

「いや、機械を騙せるヤツはいる

(なぜならこの俺がそうだから)

女流作家の小説通りに殺人事件が起きた。

次回作は刑事が犠牲者。

「ニック、貴方をモデルに書くわ。いいでしょう?」

 

 

 
氷の微笑
ポール・ヴァーホーヴェン監督
1992年

マイケル・ダグラス

シャロン・ストーン

ジーン・トリプルホーン

(画像お借りしました)

 

ヤマザキ春のパン祭りパンじゃないけど、

春の悪女祭り唇を開催中です(笑)

 

「ブラック・ウィドー」につづいて

サイコスリラーの名作「氷の微笑」を。

宿命の女(ファムファタール)

私の好きなジャンルに悪女モノがあります。

男性を破滅させるヒロインたち。

歩いた道焼け野原になるほどの

破壊力があってゾクゾク。

 

「本能」という原題が

「氷の微笑」という邦題へ。

センスあるなぁ~と思います。

危険なことに手をのばしてしまう本能

刑事役のマイケルダグラスさんが

食虫植物にひきよせられる蠅のようでいいですねぇ。

抜き差しならなくなるような役柄がお似合いチュー

 

 

 

  感想

アイスピックで氷を砕く。

砕くタイミングを考えるのが好き。

氷が溶けるまえに突き刺したい。

 

ヒロインの心理を想像してみると、こんな感じかなぁ。

 

相手の弱みを突くのが好きな魔性の女。

作家キャサリンは富・男性・学位を獲得。

足りないのはスリルだけ。

警察署で尋問されるなら

ふさわしい格好をしなくてはね」

 

ヒッチコック「めまい」のマデリンと同じ髪型、

首元まで覆う美しいワンピーススーツを身にまとう。

尋問がはじまると、ジャケットを脱ぎノースリーブに。

ミニスカートから伸びた美脚をくみかえながら、

下着をつけていない股間をチラリ

生唾ごくりの刑事たち。

男性ばかりの尋問室にふさわしい格好でしょう?

そう言いたげな挑発ポーズ。

この場面は今作のシンボルになりましたね。

魔性の女は、わざと鏡に映る裸をみせつける。

禁煙している刑事の前で、煙草をふかす。

お酒を見せびらかし、フェロモンで誘惑する。

刑事の抑圧された欲求が高まるのを観察して楽しむ。

一筋縄ではいかない嫌な女として登場し、

謎めいたムードで煙に巻きつつ、

時には寂しげな一面を見せる。

男は本性を見抜いた気分になって

彼女の心を掴めたような錯覚を起こし

捜査の目がくもっていく。

友人の言葉も仲間の忠告も耳に入らない。

性別とわず関係を持つキャサリンは

つきあっていたモデルを利用して

嫉妬と怒りをニックへ向けさせる。

モデルが運転する車がニックを襲う。

2台の車はサンフランシスコの坂道、路地、階段を

猛スピードでカーチェイス車

 

ニックの親友にも魔の手が!

デパルマ監督「殺しのドレス」と同じ

エレベーターのシチュエーション!!!

 

こういう演出好き♪

(ノ)’∀`(ヾ)―ひゃっほーい

精神分析医ベスが警告する。

「彼女は人の心を操る悪魔。

深入りしないほうがいい」

なぜ彼女がキャサリンに詳しいのか?

卒業写真が語る。

大学時代、キャサリンはベスをストーカーしていた。

 

自分を遠ざける人間への執着は復讐へと変わる。

 

仕返しを虎視眈々と狙っていたのだ。

 

ベスの教授、夫、同僚だけでなく

いま、惹かれているニックまでも奪い取る。

それも恐るべき方法で。


「早撃ちさん💘」

キャサリンはニックのクセを熟知していた。

興奮すると判断が鈍り発砲してしまう

早とちりから観光客を殺してしまった過去

トラウマになっています。

そんな彼を利用して、獲物をす作戦。

熟女と共謀していることを匂わせる演出!

「シューター(早撃ち)さん♡」

2人の金髪女が微笑む。

死者にサイコパスの汚名をきせる完璧な段取り。

う~ん。痺れるシナリオです。

ニックもゲームの駒にすぎないけれど、

本人は気づかないんです。

キャサリンはシロだ。

愛した人に死なれる運命を背負っているだけ。

自分だけは死ぬものか

他の連中と違って消えやしない。

彼は彼女の法則を破り、例外になれるのだろうか?!

新しいアイスピックの出番は、もう少し先。

お楽しみはこれから・・・