「嫌われるのも人気のうち」
女子高生三人組ヘザース
意地悪する相手を物色するため
校内パトロールが欠かせない。
ベロニカは彼女たちの使い走り役を
やめたくてもやめられない。
しかし転校生JDが彼女の日常を一変させる。
「嫌な奴なんてしちゃえば?」
「ヘザース ベロニカの熱い日」
マイケル・レーマン監督
1989年

ウィノナ・ライダー
クリスチャン・スレーター
(画像お借りしました)
 
風刺のきいたブラックコメディ「ヘザース」
カルト的人気の有名作を初鑑賞。

ファッションは80年代だけど、
マスコミや世の風潮は現代に通じます
 
青春学園モノとみせかけて、
スクールカーストや自殺者にたかる
ピラニア人間を風刺した1本です。
「不思議の国のアリス」に登場する
ハートの女王(赤の女王)のようなクリケットシーン!
映画ツウ映画好きのために
作ったような作品です。
 
主人公役をウィノナ・ライダー
彼氏をクリスチャン・スレーターが好演。
彼氏の名前は、ジェイソン・ディーンという名前。
「13日の金曜日」ジェイソン
ジェームズディーン
掛け合わせたキャラクター(≧▽≦)

映画に詳しい人なら、
もっとオマージュ作品を見つけられるかも。

「俺たちに明日はない」
「三つ数えろ」
「白鯨」「ハロウィン」
「サスペリア」「サスペリア2」
「ハリーの災難」「気狂いピエロ」



 
常識&倫理観から休暇をとって、
悪趣味な映画、不謹慎映画をおたのしみください(*^ー^*)


【感想】
ヘザーのを切ったら、
後釜の首が生えるだけ。
いじめはなくならない。
権力行使もなくならない。


ベロニカは、いじめっこグループから
離れたくてもできない自分にうんざり。
いい加減な先生たち、
薄っぺらい同級生、
無関心な親にうんざり。

そんな彼女と転校生JDが、
気に入らないヤツに鉄槌をおろす。
赤ヘザーをうっかり(?!)殺しちゃった2人。

ベロニカは特技(筆跡をまねる)を活かして
遺書を偽造し、自殺にみせかけることに成功。

しかし、赤ヘザーを抹殺しても
緑ヘザー赤いシュシュを受け継ぐ。
結局、なんにもかわらない!
自殺旋風が巻き起こる社会
シニカルに描かれます。
人のを利用する社会は、
私たちが普段目にする マスコミ、SNSと同じ。

葬式では、興味がなくても、憎んでいても、
死者を讃える追悼の言葉が平然と口をついて出る。
「故人は人気があって、素晴らしい人でした」

高校教師は
「遺書をまわし読みしましょうよ!」
と提案。

正義の名のもとに、
自殺の動機を知りたがる
興味本位の残酷さ

高校にTV局の取材がやってくるから、
ウケを狙ってアピールしなくっちゃ。

感動的な集会を開いて盛り上がろう!

「生徒の皆さん、
こういう時こそ
手をとりあって一致団結を!」

「ちぇっ、一人自殺したくらいじゃ、休校にならないのかよ」

「自殺すると、深みがでるぜ。人気も出る」

「ヘザーの自殺動機って、テストにでるかな?」

そのうち睡眠薬を飲み込む者、
車道に歩いていく者まででてきて。。


ベロニカは次のターゲットをみつけ、JDが実行していく。

だけど、これでいいの?
JDと一緒にいると不平不満の暴走がとまらない。

高校に不満、
先生に不満、
両親に不満、
友だちに不満、
社会に不満があるからって
ヤケを起こしても、知れてるんじゃない?

「わたし、ボニーとクライドにはなりたくないわ」

(俺たちに明日はない フェイダナウェイ、ウォーレン・ベイティ)

ベロニカの心に変化が生まれ・・・

いシュシュの行方は?



♬ケセラセラ♫
なるようになるさ。先のことなど、わからない

冒頭とラストに流れる曲、ケセラセラ。
ヒッチコック「知りすぎた男」で耳なじんだ曲です。

冒頭では皮肉に聞こえた曲が、
ラストでは哲学的に聞こえるから不思議です。


不道徳なのに
ラストはなぜか感動しちゃう。

カルト映画って、これだからコワイ(;´∀`)