駆け落ちしようと

空港で待ち合わせする男女に

予期せぬ出来事が起こる。

濃霧のため飛行機が飛ばない。
足止めをくう人妻愛人
夫へ別れの置手紙を残してきたのに
どうしよう。
妻が自宅に電話してみると
「もしもし?」夫の声だ。
思わず受話器を置いた。
 

 

 
予期せぬ出来事
アンソニー・アスキス監督
1963年
エリザベス・テイラー
リチャード・バートン
ルイ・ジュールダン
マギー・スミス
ロッド・テイラー
オーソン・ウェルズ
(画像お借りしました)

 

鳥も飛べないほどの濃霧が空港を包む。
4組のVIP(乗客)が人生の進路を変える
霧が晴れるまでの一晩を描いた物語。

心配そうに夫を見つめるエリザベステイラー、

うなだれる背中のリチャードバートン。
この夫婦、やっぱりいいんですねぇ。
ロッドテイラーとマギースミスの
若社長と秘書もステキ。
マギースミスが一途で可愛いんです。
映画監督&美人女優カップルも
ツッコミどころが面白く、
飛行機初心者の老嬢もお茶目で愉快♪
 

 

 

  感想

 

施し殺し屋だよ。
人のプライドす。
 
妻の愛人マーク
夫ポールを諭す。
与えられてばかりの立場を知ってるか?
どんな高価なダイヤの贈り物でも
真心がなければダメだ。
君の部下が選んだ宝石では意味がない。
彼女は、君自身が選んだ物なら
たとえ雑貨店のアヒルのオモチャでも喜ぶだろう」

彼女の気持ちを代弁して
ライバルにアドバイスするなんて、
お人好しのジゴロさんですねぇ。
 
本人は自分のことを道化師と呼んでいるけど、
知らないうちにキューピッド役
なっています(;^ω^)
天候不順で飛行機が動くのは翌朝。
 
一晩ホテルで待機することになる。
 
夫ポールが妻の部屋のドアをノックする。
マークと勘違いした妻が扉をあける。
 
ピンクのドレスを着た美しい妻。
 
こんなに綺麗だったのか。
あいつのために装う姿に、
怒りがこみあげてくる。
「あんなヤツのどこがいいのか?
愛の技か?
俺よりもいいのか?
君には何でも与えてきたけど
不足だったんだな
 
「私は欲しい物などなかったわ」
 
激しく言い争い、もみあいに。
に彼女の腕を打ちつけてしまう。
ヒビが入り、破片が1枚、
音を立てて落ちる。

興奮から一気に冷める夫。
 
鏡のひび割れは、
彼のプライドが傷ついた証拠。
 
腕の痛みで、彼のショックを実感する妻。
 
険しい表情が一転、
お互いに優しくいたわり合う。
11年間、君と暮らしてきた」
 
奥さんは苦笑いしながら
 
13年よ・・・。」
夫婦の間で少しのズレ
 
このほんのちょっぴりのズレが気になる女心
 
金や物を与えておけば安泰だろうという夫の怠慢

人としての気遣い、思いやりが欲しいという妻の願い

気持ちが通じ合わない寂しさは、
一緒にいると倍増してしまう。
 
だから新しいパートナーと新生活をはじめたい。
マークには自分と同じ孤独を感じる。
だから、一緒にいて心が休まるんだもの。
でも…
それは夫に対するとはちがう。
 

搭乗アナウンスが流れる。

 
妻の心はゆらぐ。
 
夫から目が離せない。
 
「行けよ。
君の顔はもう十分
目に焼きつけたから」
 
経済界の大物と呼ばれる夫が、
泣きべそをかいて肩を落としている。
 
自信家でクールな彼がすっかり、くたびれて。

 
はじめてみる貴方の顔。
 
13年連れ添って、
相手の行動パターンは
知りつくしていると思っていた
 
だけど…
 
不器用で鈍感で忘れっぽい貴方のこと、
判ってないのは私のほうかも。
 
 
妻の心にかかった濃い霧
すーっと晴れてくる。
 
 
「帰りたいの、貴方といっしょに」