妻の角膜移植手術が成功する。
手術前は僕の腕につかまって
歩いていたよね。
はぐれると僕の名を呼び僕を探していたよね。
大好きな妻は、もういない。
一人で先を歩いているのは誰?
「かごの中の瞳」
マーク・フォースター監督
2016年
ブレイク・ライヴリー
ジェイソン・クラーク
(画像お借りしました)

タイトルに惹かれてTV録画を鑑賞。
夫婦の心理サスペンスでした。
リビングの水槽の魚の動きが
ヒロインの心とシンクロして不穏な空気が。
オープニングから
大変美しいファンタジック映像!
夜のベッドシーンがヒロインの脳内では
芸術的な映像に!
海の波が連なるような
数多の人間ウェーブ!
スクリーンでみたら圧巻だろうなぁ。
想像力のパワーですねぇ。
夫婦のズレが美しく切なく描かれた物語。
私、この旦那さんの不安に共感しちゃうんですよね。
もちろん奥さんにも。


【感想】
なんか思ってたんと違う。
この物語のヒロインは、盲目の奥さんです。
水泳、ダンス、市場、散歩中の犬、SEX・・・
目で見ることができない分
想像力が豊かです。
手術によって見えるようになると
現実と想像のにガッカリ。

旦那さんの顔をはじめてみた彼女の感想は
想像してたのと少し違うわ

退院して初めて見るわが家は想像してたのと違う。
向かいの家が近すぎる。
の夫婦生活もなんか想像と違う。
目を閉じてた方が魅力的だった。
夫の心も変化していきます。
手術前は幸せだったのに。
なんか思ってたんと違う。
彼女の眼が不自由だった頃は
化粧っけもなく清楚だった。

夫の僕を頼りにしてくれた。

地面にのびる2人のシルエットが、
一つから二つにれていく。
もう僕の腕と目がなくても
歩いていける。振り向きもしない。
独りぼっちで置き去りにされたような
寂し気な顔の旦那さん。

彼女のために背伸びしたり、
喜ばせようと調子を合わせるけれど。。

新婚旅行で乗った2人乗りのカヌー。
2度目のハネムーン
一人用のカヌーを選ぶんだね。

ジーナ!
君の名前を呼んでも、先へ進んでいく。
カラフルな色に心を奪われた彼女は、
どんどん美しくなっていく。
セクシーな服に身を包み、
ブロンドの髪になっていた。

今までできなかった刺激を求める君。

勝手に飼いはじめた犬、
散歩で誰と知り合ったんだい?
もう君の見ている世界が、
みえなくなった。
君の瞳の中で
僕の存在がさくなっていく。

君を変えていく青いフタの点眼薬。
僕は・・・

妻は炎症の起きた右目
医師に診てもらう。
主治医は言う
拒絶反応ですね」
拒絶反応・・・?嫌な響きね」

妻は勘づく。

でも、彼女は夫の秘密を知らなかった。

彼の苦悩をしらないまま、お腹が大きくなっていく。

現実は怖くて厳しい。