「これは子どもの教育上、良くない映画だ」
日本で封切られるや否や、
日本で封切られるや否や、
連日ワイドショーを賑わせていた。
そんなにいちゃもんを付けるなんて、
そんなにいちゃもんを付けるなんて、
大人にとって
よっぽど都合の悪いことが描かれているんだなと、
当時10歳の私は鼻で笑ったものだ。
チャーリーとチョコレート工場
ティム・バートン監督
娘の感想
高校3年生の秋、
文化祭で「チャーリーとチョコレート工場」
の劇をやることになった。
クラスメイトの半数が出演に回り、
背景に使う垂れ幕を一人で描くことになった私。
放課後、
毎日のようにチョコレートの川と向き合っていた。
途中から筆で描くのも面倒になり、
指を茶色のペンキまみれにしながら、
チョコレートの光沢にこだわっていた。
あれから、6年がたち
冬に観ようと取っておいた録画の再生ボタンをぽちり。
おもしろい、
やっぱりめちゃくちゃおもしろい。
冒頭、花火で燃えた人形が、
途中で入院患者としてベッドに横たわっている、
シュールすぎる伏線。
そして何といっても
ウンパルンパの破壊力。
サタデーナイトフィーバー風に踊ってみたり、
クイーンのようなロッカーになってみたり。
多彩な彼らが画面の端からトコトコ走ってくる度に
「あ、来た来た!」
と、つい前のめりになってしまう。
私の一押しソングはもちろん、
リスに頭を叩かれ、
中身がダメになっている
ダストシュートに落とされる。
ベルーカ父を指差しながら、
ベルーカが落ちていったダストシュートに
次々と投げ入れ、
「素敵な友だちに出会えるさ~」
私もウンパルンパと一緒に両手を広げてみる。
なんだろう、この解放感は。
「ザッツエンターテインメント」のように
チョコレートの川で
シンクロナイズドスイミングを披露したかと思えば、
「ベンハー」のように黙々と船を漕ぎ、
「サイコ」のノーマンになりきって
ナイフを何度も振り下ろす。
モノリス(「2001年宇宙の旅」)は
ウォンカチョコレートに大変身、
いろんなことがあって、
最後はみんな‘家’に帰ってゆく、
エンタメを詰め込んだ
ファンタジーの世界は
ちょっと意地悪。
だけど…やっぱり優しい。
そんな世界がたまらなく好き。