「ファッション雑誌なんてくだらない」
哲学書に夢中の女の子が、雑誌の新しいモデルに!
「パリの恋人」スタンリー・ドーネン監督1957年
オードリー・ヘプバーン、フレッド・アステア、ケイ・トンプソン(画像お借りしました)
世界に愛される妖精、オードリー。
「劣等感って、大事な原動力」
そのことを教えてくれた、妖精です。
彼女の最も優れた才能は、努力だと思っています。

フレッド・アステア師匠の余裕綽々のダンス。
ケイ・トンプソンのパワフルで豊かな歌声。

ベテラン勢の熟練された腕前とは、別の魅力で楽しませてくれるオードリー。
頭からつま先まで、一生懸命さが溢れてる!
心をこめた動き、フレッシュな笑顔がまぶしいです(*^。^*)
今回のオードリーのお相手は、フレッド・アステアさん。
同世代の役者さんだと、オードリーの影にかすんでしまうから
彼女の存在感に負けない、大人の魅力ある熟年男性なんですよね。
大人の紳士と並ぶと、より愛らしく清楚にみえるんです。彼女のキュートさが倍増ブーケ2
 


【感想】
ファニーフェイス。
そこらにいないタイプの個性的な魅力の顔

「私にモデルなんてムリよ」と、及び腰だった彼女。
しかし、1人のカメラマンの手によって、
自分でも見たことのない新しい自分を発見する。
自分のなかに眠っていた別の顔を引き出してくれるカメラマン。


ヒロインのパフォーマンスもさることながら、
フレッド・アステアのダンス、持ち味のタップもたっぷり!嬉しい

彼の闘牛士のダンスをバルコニーから眺めるオードリー。
優雅で力強く、ユーモアをまじえながら、
ステッキをに、ケープをダイナミックにひるがえす振り付け。
彼女でなくても誰もが釘付けになりますねぇ。
「特等席で独り占めなんて、いいな~」って思いながら、私も見惚れてしまいました。
ボンジュール、パリ!
パリは、ファッション哲学美術も生き生きさせてくれる街。


オードリーが色んなシチュエーションでモデル撮影するシーンの素敵なこと☆☆
まるで駆け足でめぐるファッションショーみたい。
七色の風船
花屋さんでは、腕にたっぷりの黄色い花束を抱えて。

アンナ・カレーニナみたいに憂いに満ちた顔、想いが届かない悲しいヒロインになりきって。

白い鳩に姿をかえられた王子さまを腕にのせ、幸せそうに微笑む姫。

最初は、言われるままにポーズをとっていたけれど。
最後は、自らがリードしながら階段を降りてくる。
真っ赤なドレス、赤いケープを高くあげスマイル。
もう本屋の娘じゃない。
すっかりモデルの風格に。
オードリー一番の見せ場は、
酒場で全身フィットした黒の衣装で踊るコンテンポラリーダンス!
フラットシューズが滑らかに動く、
キレッキレの動き。
バレエで鍛えたしなやかな身のこなし、
バネのあるステップは、何度見ても素晴らしいです。
そして、せつない恋心もチラリ(//^ー^//)
モデルの仕事が終われば、彼とはもう・・・
ジョー(オードリーヘプバーン)が言います。
同情共感ちがうのよ。

同情は、相手を憐れむだけ。
共感は、相手の立場になって考え、相手の気持ちになること。
はたしてディックは、彼女からのラブコールに共感できるのか?!

行方がわからないオードリーを探すディックに

女編集長マギーがアドバイスします。

「彼女の立場になってみて。共感が大事!」

そうか!

行き先は・・・あそこしかない。