先入観のある人は
聞く耳をもたない。
先生と生徒が仲良くしていたら
怪しい関係だと思いたがる。
昔、事故で顔に火傷を負った先生。
地域住民は、
怪人と少年が師弟であり親友だという
事実を認めたくない。
「悪戯目的じゃないか?危険だ。
「悪戯目的じゃないか?危険だ。
接見禁止。手紙も禁止。」
「顔のない天使」
孤独な先生と少年のふれあいを描いた
メル・ギブソン初監督映画です。
偏見を越える信頼の絆。
なんども形を変えて描かれるテーマって
普遍的なんだなぁ。
感想
犬と静かに暮らす男の家に
少年が通いはじめる。
村の人々は、彼のことをネタにし
無責任な噂を流す。
「やつは人殺しだ」
「ポルノ小説を書いてるらしい」
なんど断わられても、粘る、粘る。
「自分の頭がバカじゃないことを
証明したい。学びたい」
最初は、先生の顔に気が散って
授業が頭に入らない少年。
「おい、俺の顔に早く馴れろ!」
詩を身振り手振りで朗読する2人。
模擬テストの答案用紙を
わくわくしながら採点する先生。
飛行機に乗せてもらい興奮する少年。
次第に、先生の本当の顔がみえてくる。
「不思議だね。
先生の傷、もう見えなくなったよ」
そんな時、少年に衝撃の事実がつきつけられる。
「僕のお父さんは…」
母の部屋の引き出しが開けられ
乱雑にちらばった書類。
虚ろな目をして床にへたりこむ 少年。
立派な人物だと思っていた
「あの父親の子だから…この子は」
彼は書類を固く握りしめ、先生の家へ。
ただごとではない少年の姿に驚く先生。
硬直した彼の手から、書類を取り出す。
黙って少年の背中に優しく手をそえる。
しかし、
偏見が彼らの友情を引き裂く。
辛い過去を持つ先生に
理不尽な尋問が行われます。
報酬や地位をもらえないのに
教えるはずがない。
どうせ下心あってのことだろう。
少年は騙されているにちがいない。
以前も、少年が死亡する事故を起こした人間だ。
だから今回も…
どんな真実も受け入れられない。
その人自身をみることが面倒くさい人は、
簡単にきめつけたがる。
要注意人物だ。危険人物だ。
昔の新聞を読んだ少年も迷い、
「ひょっとして」
と疑う気持ちが湧いてくる。
最後の授業は一番重要なこと。
ラテン語や幾何以上に大切なことだった。
よく見て自分で考えればわかるはず。
僕が君に一度でも
虐待や、悪戯をしたかどうかを。
少年の瞳に涙が浮かぶ。
生徒の成長を実感した男は、
教師としてお金にかえられない達成感を味わう。
信頼を得た喜びは誰にも奪えない。
警察官の目に彼らがどう映ったのか・・・
群衆を隔てて、腕をふりあう2人。
遠くて顔はよくみえなくても、