「カジモドみたいに
誰か私のこと助けてくれないかしら」
ノートルダム寺院を見上げ呟く
オードリー・ヘプバーン。
遊覧船のサーチライトが
セーヌ川沿いのカップルを照らし出す。
ロマンスのドキドキと、
身の危険のドキドキの二重奏。
 

 
シャレード
スタンリー・ドーネン監督
1963年
ケーリー・グラント
ウォルター・マッソー
ジェームズ・コバーン
ジョージ・ケネディ

※2019年4月の記事を再UP

 
図書館の映画上映会で観賞したときのレビューです。
 
「パラダイン夫人の恋」「疑惑の影」
「白い恐怖」に続いて久しぶりの図書館上映。
 
ヘンリー・マンシーニの甘く切なく優雅な調べ、
そして、駆け足のようなモダンジャズのリズム。
 
ラブコメのとぼけた味わいと
観光ミステリーサスペンスが楽しめます。
パリの街を旅する気分にひたりました。

 

「ハリーの災難」のように
浴槽の死体をパジャマに着替えさせたり、
 
「泥棒成金」のように
女の誘いを、からかうようにあしらう男。
 
「めまい」のように
屋上から落ちそうになるシーン。
 
「おしゃれ泥棒」のように
コミカルな男女のやりとり。
 
オープニングからヒッチコック風!
 
でも、スタンリー・ドーネン監督!
 
そこにビックリさせられました。

 

  感想

誰を信じたらいいの??

 

オードリーの役は、富豪の妻レジーナ。
やりきれない気分のとき、
不安になったとき、
無意識に食べ物を口にする。
スキー場で料理をやけ食い。
秘密だらけの夫とは
これ以上やっていけない。
離婚しよう。
決心した彼女に、警察から一報が入る。
なんと、行方知れずだった夫が
何者かに殺害されたのだ!
未亡人になったら
ますます食欲がわいてくる。
つかみどころのない夫だったけど
まさか名前も嘘だったなんて。
ショックだわ。
パスポートって信用できないものね。
何冊も作っていたなんて。
次は秘密を持たない男と出会いたい。
しかし、またしても謎めいた男
目の前に現れて…
男の正体に確信がもてない。
だけど、ちょいとイカした男。
好奇心と心細さも手伝って、
彼に気持ちが傾いていく。
でも、彼の嘘がわかるたび
不安でオロオロ
怪しい男たちに脅されても
亡き夫が隠しもっていた宝のありかなんて
私、知らない。
気持ちを落ちつかせようと、
キャンディをなめ、
ジェラートをなめる。
安心したり不信感に変わったり、
気持ちがジェットコースターのように
急降下、急上昇!
 
だけど、愛と信頼に包まれた瞬間
「なんだか、お腹いっぱい。
食べられないわ」
喜びで胸がいっぱい、お腹もいっぱい。
レジーナの愛らしさが
最高にキュートです。
大変な状況に陥っても、
どこか明るくてお茶目さん。
大好きな場面
オードリーが走る後半です。
 

何度みても終盤にかけての

市場からパレロワイヤルの展開が好きハート

 
お宝を狙う男が市場を歩いていて
ピンと閃いた!
一方、
レジーナも宝の正体に気づく。
 
価値があるモノとは知らず
少年に渡してしまった。
 
大慌てで市場をかけめぐり、
少年を探す。
 
背格好、服装の似た子をみつけた。
 
肩をつかんで顔をのぞきこむ。
 
あぁ、残念、違う子だ。
 
どこにいったのかしら?
 
(手に汗握る場面です。
早く、早く~~!)
 
やっと見つけた少年の手に握られていたのは…
 
あっちゃーあせる
 
「どこで交換したの?」

 
そして、
彼女自身も追われる立場に。
 
心も体も走る、走る・・・
地下鉄の車内で凍りつき、
階段を駆け下り、逃げる。
夜のパレ・ロワイヤル目指して
一目散に逃げる!
ヒールの音が鳴り響く。
2人の男の言うことが真逆。
さぁ、どちらを信用するのか?
劇場の舞台を歩く男
舞台の底から見上げる男

足音に集中する。
 
ミシ、ミシッ・・・
 
板に書かれた記号とレバーを見つめる男。
 
D4、B3、A3,A4・・・
オードリーが息をとめた瞬間
彼の手が動いた!

 

おしゃれなパリを
オードリーが走るクライマックス。
 
ほんとうによく
よくりました。
 
足裏をもんでもらうオードリーに
お疲れ様という気持ちです(笑)
 
愉快な場面とスリリングな場面の
追いかけっこをお楽しみくださいね(^_-)