タンゴにミスはない。人生と同じだ。脚がからんでも踊り続ければいい。
盲人と美女の動きを目で追う青年。驚きと感動がわきあがる。
「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」
マーティン・ブレスト監督1992年
アル・パチーノ、クリス・オドネル(画像お借りしました)

一年前、娘から「まだ観てなかったの?こんな名作を・・・」
と、ツッコミを入れられていた私です。ようやく録画していた作品を鑑賞しました。

パチーノさんの映画にしては、ずいぶん甘くムードのある題名だなぁ。
なぜ、このタイトルなんだろう?
盲目の男が、いろんな女性の香水を当てる。
女の人の笑い声、話し方、香りを味わうこと、それは生きている実感
彼の夢は、朝、目覚めたとき、そばにいてくれる女性
物語のおわりに、新しい夢の香りが、ふわっと漂ってきますよ。

アル・パチーノの味わい深い見事な演技。
人生の辛苦をあじわった人が発する言葉。
ウィットに富み、毅然とした態度、女性に優しい。しびれますねぇ。

美女の手をとり、タンゴを踊る有名なシーンの素晴らしさ!!
ホールのサイズとテーブルの位置を把握した彼のダンスは、
繊細大胆な動きです。人柄がでる動きに、目が離せません。



【あらすじ】
奨学金で高校へ入った苦学生。
ある事件を目撃し、校長に圧力をかけられ悩む。
そんなとき、盲目の退役軍人の付き添いバイトをすることになり・・・



【感想】
「これから君を教育してやる」
盲目の退役軍人フランクは、付き添いバイトの学生に言い渡す。
気難しい男と、若者の友情物語
新しいスーツを仕立て、最高級のホテルに泊まり、
高級レストランでディナー、親戚に会いに行く。

贅沢な旅行ツアーに見えたが、フィナーレとして用意されていたのは
自らのだった。


チャーリーは学校裁判にかけられることがきまっていた。

犯人を庇うと、退学。
密告すれば、裏切り者になる。
どちらにするか選択を迫られる。


そんな彼の前に、銃を手にしたフランクが。

命を見捨てるのか?
道連れになるのか?
ここでも選択をせまられる。

銃とフランクを見比べながら、おそるおそる近づくチャーリー。

青ざめた顔が、だんだん紅潮し、涙が頬をすーっとつたう。
死へのカウントダウンがはじまった。3,2,1・・・

「生きて!脚が絡んでも踊り続けて・・・」

人は常に岐路に立たされる。

正しい道っていうのは、険しい道
逃げ出すのか、潔くたたかうのか。

全校生徒の前で火あぶり台に立たされるチャーリー。
諮問委員会と校長、犯人、目撃者が一堂に会して
運命のカウントダウンがはじまった。

その時、講堂に乱入してきた人物が。

それはフランクだった・・・


はたして、どんな審判が下されるのか?

アル・パチーノがアカデミー賞 主演男優賞受賞に輝いた名作です。