フリーズドライ製法の食糧が配給される2022年。開発企業に潜む謎。
「ソイレント・グリーン」リチャード・フライシャー監督
1973年 アメリカ 97分 チャールトン・ヘストン チャック・コナーズ
(画像お借りしました)

「ミクロの決死圏」の監督が撮ったSFサスペンスです。
めちゃ怖い!めちゃ面白い!この発想!

ソイレントイエローレッドグリーン、固形食糧に長蛇の列\(◎o◎)/

インスタント食品の封をあける手が・・・とまりそう(汗)
「フリーズドライって商品表記に敏感に反応しちゃうわぁあせる
と、娘が笑います。


【あらすじ】
地球の環境汚染で、野菜も肉も魚も水も手に入らない未来の世界。
食品開発した企業の幹部が暗殺された。
刑事は、事件調査に乗り出すが・・・

【感想】
これが、昔の地球の姿か・・・なんて美しい。

文明が発達し、大気汚染、地球温暖化。

自然が枯渇する前の時代を知らない刑事。
同居する老人から「昔は良かった」という話をきかされても
想像なんてできっこない。

上級階級の人間だけが、
昔のように野菜や肉を食べることができる社会。

中流階級の刑事が、事件現場からりんごをくすねる。

皮を服でこすって、がぶりとかじる・・・そんな経験は初めてのこと。

いちごジャムは、1つ15000円。
レタス&りんご1つずつで、2万3000円。
肉なんて、宝石や金塊のような存在。

老人が「そろそろホームへ行くよ。」と言いだした。

ホームっていうと、老後を快適にすごす施設かな?と思っていたら叫び
どうやら、違うみたい。

空港の案内カウンターみたいなところで、受付がはじまる。

係員がたずねる。
「お好きな色、お好きな曲ありますか?」

彼は答える。
「オレンジ色、明るめのクラシック」

な~んか嫌な予感がしてきます。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」っぽいなぁ。

部屋へ案内されると、ベッドに横になる。

え、これって・・・ひょっとして。。
ますます不吉な予感(>_<;)

大きなスクリーンの前で横たわる おじいさん。
田園交響曲が流れ、大画面に映し出されるのは
かつての地球自然


美しい野山野生の動物花畑青い海
オレンジに染まった夕焼けの映像。

おじいさんは穏やかな表情で映像に包まれます。

老人を追ってきた刑事に、彼が声をかけます。
「わしが話したとおりだったろ?」

刑事は信じられない顔つきで、画面をみる。
「誰がこんな風景を想像できるだろう」


豊かな大自然があったなんて。。
刑事は美しい風景に感動し涙を浮かべる。
そして、猛烈な怒りが込み上げてくる。

チャールトン・ヘストンのなんともいえない悲しみと怒りの顔、いいですねぇ。


最期の息で、おじいさんが訴える。
「世界に知らせるんだ。ソイレント・グリーンの正体を。 証拠をつかめ」


刑事はトラックの屋根につかまって、企業へむかった・・・


映画の舞台は、2022年。
あと4年かぁ~。

美しい地球の尊さと、温暖化の怖さをじんわり感じるSFファンタジーです。