「祟りじゃ~」でお馴染み「八つ墓村」 野村芳太郎監督 
1977年 151分 萩原健一 渥美清(画像お借りしました)

橋本忍さんの脚本、芥川也寸志氏の音楽とくれば
「砂の器」を思い出します。
今作も、郷愁とドラマティックな物悲しいメロディ、
映画らしさがぐっと際立つ1本です(*^ー^*)


【あらすじ】
新聞広告のたずねびとの欄をみた青年が名乗り出る。
大地主の跡取りとして、八つ墓村へいくことになるが、
青年の祖父、兄、相次いで絶命
連続殺人で村人はパニックになる!
落ち武者伝説の祟りなのか?真犯人は?



【感想】
横溝正史原作の殺人事件&冒険アドベンチャー


この物語は、どこを切り取るかで印象がガラッと変わりますね。
洞窟冒険、宝探しをばっさりカットした
野村芳太郎監督バージョンです。
祟りに特化した演出が独特!

推理モノをこえてホラー要素強め(*^。^*)

登場人物の先祖をたどる金田一耕助、
大量の蝙蝠の襲撃・・・オカルト的な味付けを楽しむ作品ですね。


美しく舞う桜吹雪を背に、殺人鬼が駆けてくる。
銃と日本刀、頭にはロウソク。
残酷で凄惨な殺害シーンが衝撃的です。

蒸し暑い夏の晩。
蚊帳の中で、青年は母の面影を思う。
優しかった母、つましく幸せな生活、恐ろしい記憶・・・

母はどんな暮らしをしていたのか、父はどんな人物なのか
自分のルーツを知りたい。
そのとき、暗闇の中を提灯を手に双子の老婆が離れへ入っていく・・・

もう、それだけで怪談っぽいんですよ。怖っ

青年を中心に三人の女性がしっとりと艶めかしく描かれます。

小川真由美さん演じる洋装の似合う現代女性、
山本陽子さん演じる古風な和服美女、
中野良子さん演じる優しくて清楚なお母さん。

萩原健一さん演じる主人公が戸惑い、翻弄される姿
若々しくてあぶなっかしい感じでいいですねぇ。

物語を怖くミステリアスにしてくれる舞台は鍾乳洞
殺しも隠してくれる洞窟です。

恐ろしい殺人鬼に追われれば、早く地上に出たくなりますし、
愛しい人と逢瀬を味わいたければ、長くとどまりたくなる

避難所にもなりますが、助けを呼べない危険な場所、
そんな神秘的な空間が、表情豊かに広がります。

青年をサポートする金田一耕助役は、渥美清さん。
麦わら帽子にスーツ、とっても新鮮!
既存のイメージと違う探偵さんです。
ラストの語りは寅さんのぬくもりが感じられて
大滝秀治さんと一緒に思わず笑ってしまいました。

会ったことのない彼の父親を、
夢の父親像、まぼろしのままにしておいてあげたい。
息子の幸せを願う父のイメージを持って生きてもらいたい。

そんな金田一の思いやり
凄惨な事件がスーッと遠ざかっていくようです。