どんなヤツでも必死に生きてる。
ミラーボールの輝きの下で、キラキラ踊る青年。
だけど、それは一週間のうち一日だけ。
土曜の夜サタデーナイトだけ。

あとの6日は、

自分はどう生きたいか、わからない。
そんな彼が心を決める出来事が次々と起こる。
 

 

 
サタデー・ナイト・フィーバー
ジョン・バダム監督
1977年 

 

 
 
ずっと誤解してました。
ダンスに熱中する若者の青春映画だと
きめつけてました。
ディスコダンスやビージーズの音楽、
70~80年代の雰囲気が堪能できる。
でも、それだけじゃないんですね。
よい台詞がたくさんある人間ドラマ。
 
ジョン・トラボルタの繊細な演技!
 
ジェームズ・ディーンの
「エデンの東」「理由なき反抗」の現代版ですねぇ。

 

 
スピルバーグ監督が「レディプレイヤー1」の中で
今作を描いた意味。
やっと、わかりましたp(^-^)q
青春映画としても
ヒューマンドラマとしても秀逸な名作です。
 

 

 

  感想

 

主人公トニーが橋を眺めながら
ダンスパートナーに言うひとこと。
「俺はよくここで考えるんだ」
 
瞳をうるませ、無言になる彼。
彼女はそっと寄り添います。
 
マンハッタンとブルックリンをつなぐ
 
川をへだてて大都会と下町が向かい合う。
 
橋の向こう側は、上流社会。大都会で知的で文化的な生活。
 
橋のこちら側は、下町。先進的なニュースも国際社会も関係ない。
 
広い世界を眺めるトニーとステファニー。
 
給料が2ドルあがって大喜び、
さらに店主は4ドルまであげてくれた。
 
認められるってこと、それはお金の額じゃない。
 
だけど、
小さな町でくすぶっていないで、
あっち側へ行ってみたい。
ペンキ屋で15年、18年働いている同僚を 
複雑な思いでみつめるトニー。
 
ダンスコンテストの日

 
「おめでとう」「やったね」って、
トロフィを渡されても納得できない。
なんなんだ、こんなもの・・・
憤懣やるかたなしといった表情のトニー。
井の中の蛙じゃないか。。
地元ひいきの小さな町で一番気取りしてたって、
それが一体なにになる?!
賞金を手にプエルトリコ人ペアに近づいていく…
 
んでいるのは、トニーだけじゃない。
友人が追い詰められていく姿が
とっても魅力的。
知り合いに相談しまくる彼の焦りがね、
本当にいいんです。
トニーのお兄さんにすがりますね。
「神父さん、きいて。
神様はボクを許してくれるかな。」
「僕はもう神父じゃない
フランクだ」
 
お兄さんも人生を悩み、再出発を考えていた。
 
そしてクライマックスのハラハラするシーン、
とても好きですよ。

 
都会と下町を結ぶ橋の上で、
みんな必死にもがきます。
 
愚かな人、
挫折を味わっている人、 
「自分はすごい。偉い。」と
強がっている人、
 
皆それぞれ
スティンアライブ。
♪必死に生きてる
生きなくちゃ
活き活きしなくちゃ♪
 
ビージーズの歌がしみました。