「あいつが戻ってきた」
いじめられっ子7人組
IT(あいつ)を封じ込めて30年。
大人になり成功した彼らに
1本の電話がかかる。
再び連続行方不明事件が発生したのだ。

荷造りをしながら

封印してきた記憶が蘇る。

 

 

 
IT/イット(前編)
トミー・リー・ウォーレス監督
1990年

ティム・カリー
リチャード・トーマス
ジョナサン・ブランディス
アネット・オトゥール
ジョン・リッター
デニス・クリストファー

(画像お借りしました)

 
※2018年8月の記事を再編集
 
人ぞれぞれ、苦手なものってありますね。
 
私は体験したことがないのに
人とはぐれることが最もろしい。

幼い頃から幾度となくみた

迷子の夢

外出先で家族とはぐれる、
さまざまなシチュエーション
電車に乗って扉がしまったとたん、
「そっちの電車じゃないよ!」
と叫ぶ両親の慌てた姿。
ホームを発車してしまい、
一人だけ別の地へ。
毎回人混みではぐれる夢ばかり。
一度も自宅へたどりつけず目覚めます(笑)
 
この物語の少年少女も
IT(恐れ)を抱いています。
どうやって立ち向かうのか、というお話です。

 

 

 感想

 

怖がるやつほど、味がいい。

恐怖はピエロの姿で「ペニーワイズ」と自己紹介をする。
「知らない人とおしゃべりしちゃいけないんだ」
の言いつけを守ろうとする幼いジョージに
名前を教えたから
もう知らない人なんかじゃないだろう?
「友達になろう。
こっちへおいで。
浮かび方を教えるよ」
お兄ちゃんが新聞で折ってくれたヨットを
エサに誘い込む。
悪さをする者は、
このピエロと似たような手口で近づきますね。
ビルは「弟が死んだのは自分のせい」と
罪悪感から逃れられない。
ITは、弟の幻影を何度も繰り返し見せ、苦しめる。
 
両親「ジョージのことは忘れなさい
家族アルバムをビルの手からとりあげ、
辛すぎる現実から目をそらそうと試みるのです。

でも、両親に対しても、弟に対しても
申し訳なさでいっぱい。
 
すると吃音がひどくなる。
彼の美徳である責任感の強さ
皮肉なことに自分を攻撃するんです。
 
喘息もちで病弱なエディーは
母の不安の犠牲になっています。
息子が病気になることが怖い。
大勢の子供たちからばい菌をうつされては困る。
 
「運動のあとのシャワーは
他の子たちと一緒に浴びちゃダメ。」
 
「みんなと遊ぶのもダメ。
ママがいるでしょ。」
 
母の恐怖はみごとに息子に伝染する。

緊張が高まったり、驚くと、過呼吸になる。
パニック発作をしずめてくれるのは、吸入器。
胸いっぱい吸うことで、安心感を得る。
吸入器なしでは生きられないと思い込んでしまう。
 
貧しさと暴力父に悩む少女ベバリー。
本当は強いのに
父に支配され無力だと思わされる。

 
彼女が洗面台にむかっていると、
排水口から赤い風船が顔を出す。
どんどん膨らみ、パァーン!
破裂してが飛び散る!
 
娘の悲鳴をきいた父親が飛んでくる。
「誰かにのぞかれたのか?」
父の恐怖は、悪い男が娘に近づくこと。
「この歳で男と遊ぶなんて許さない」
男と逃げた奥さんのように、娘を失いたくない。
手元に縛っておきたくて、暴力をふるう。

親の事情は子供に影響を及ぼすもの。
不安・自信喪失・罪悪感
に棲みついてゆく。
 
だけどIT(それ)にも 弱点がある。
団結心強さを武器にする者には
手が出しにくい。
 
「自分だけに見えるのかと思っていたけど
皆にもみえるんだ!」
 
「打ち明けたらバカにされると思ってたけど
真剣に耳を傾けてくれた」
7人が闘う決心をする場面では
円陣をつくり
かための杯のように
喘息の吸入器を回し吸う。
このシーンが子供らしくて大好き。

ITで子供たちを包み込む。

絆や連携を裂いてバラバラにする作戦です。
「互いの姿を見失わないように
をつないで。」

 
名前を言いながら
一人も欠けることのないように手と手をつなぐ。
 
ITが仕掛けてくる罠に飲み込まれないよう、
「耳を貸すな。現実じゃない。」と、
お互いに恐怖打ち消していく
 
弱虫クラブはいつでも強虫クラブになれる。
まるで、集団行動療法みたい。
自分と向き合うコツが描かれているなんて。
 
ホラー映画と思ってみはじめた私にとって
どんでん返し的な物語。
 
ぐっときましたよヾ(*´∀`*)ノ
 
しかし、前編のラストでITの血文字が登場!!!
 
おぉぉっ( ̄□ ̄;

 

この文字を記した人物に何が起こったのか?!

後編では、過去の自分を克服する勇気が描かれ、
物語にさらなる深みが増していきますよ。
 
「IT(後編)」のレビューにつづきます。