おはようの挨拶一つで
これほど面白い作品が生まれるのか!
テレビを買ってほしい兄弟。
買ってくれるまでは、口を利かないぞ。
両親に反抗ボイコットする2人をめぐって
学校、近所、おまわりさんまで出動することに。
さぁ、お父さんどうする?
 

 

 
お早よう
小津安二郎監督
1959年
笠智衆
佐田啓二
久我美子
三宅邦子
杉村春子
小津安二郎監督が大好きな娘の感想です。
 
※2018年7月の記事を再編集。
 
「天国と地獄」「秋日和」
「小早川家の秋」「浮草」
など出演した島津雅彦が演じる勇ちゃん
最高です(≧▽≦)
 
 

 

娘の感想 

 

近所づきあいの面白さ!
大人の感覚と子どもの気持ち。
リアルでコミカル!

 

言葉のテンポとチョイスが素晴らしい。

自宅にTVがない兄弟。
隣の家で見せてもらうために出かける場面です。
 
お母さんがたしなめる。

「行って参りまぁーす!」
母「どこ行くの?」
「英語習いに行くんだよ」
母「いさむちゃんは?」
弟「そうだよ」
母「またテレビじゃないの?お隣行っちゃダメよ」
オフコース、マダム!
アイラブユー!
母「ばかねぇ」

冒頭の会話で心を鷲掴みに。
いさむちゃんの「アイラブユー!」本当に可愛い。
 
テレビが欲しい兄弟お父さん口論をする場面では
「だいたいお前たちは何だ!
男のくせに余計なことを言い過ぎる。
少し黙ってみろ!」
 

「だったら大人だって余計なこと
言ってるじゃないか。
こんにちは、おはよう、
こんばんは・・・」
兄弟は家でも学校でも
絶対に口をきかないう。
近所のおばちゃんに
「あら、実ちゃん、おはよう」
と声をかけられても返事をしない。
 
学校でも一言も話さないため、
先生が心配して家にやってくる。
 
挨拶をしないことで、
ママ友の間で誤解がうまれる。
 

 
あいさつって
人のコミュニケーションの中で
大事な要素なんだなぁ。
 
あいさつ1つしないことで
不信感誤解が生まれ
嫌な噂が広まることだってある。

挨拶以外にも無駄なことって結構大事

世間話や噂話、愚痴を言うことも
大切なコミュニケーションなんだね。

娯楽もそうだ。
それこそテレビ、ゲーム、漫画、映画・・・
なくても生きていける。
 
けれど、仕事ばかりしているのでは
煮詰まってしまう。
気分転換のツールとして
生活に欠かせないもの。


が携帯電話携帯やパソコンパソコン
買ってもらったのは大学生になってから。
DSやWiiiなどのゲーム機は
いまだに持っていない。
 
小学生の頃、周りの友達は
みんなゲームで遊んでいた。
羨ましかったし、めちゃくちゃ欲しかった。
けれど、私の母は絶対にだめだという。
 
その代わりに私は本をたくさん読んだ。
特に江戸川乱歩少年探偵団シリーズが大好きで、
小学生時代の私のヒーローは小林少年だった(笑)

当時は周りの友達に劣等感を抱いて
同じような生活ではないのが不満だった。
 
しかしその経験は今、活きている。
あの生活があったからこそ
映画が楽しめるんだと思える。
 

だからナショナルテレビの箱が映るカット、
嬉しくて嬉しくて涙が出た。
箱を見てパーッと輝く2人の顔を見て
「よかったねぇ」と涙が出た。

 
私にとって電子機器=高価なものというイメージ。
だから買ってもらう時、
嬉しい反面「本当にもらっていいのかな」と戸惑う。
でもやっぱりしい。
その気持ちが蘇って
実くんと勇ちゃんに自分を重ねてしまった。


時代は進み、技術は発展する。
でも、それに頼りすぎると
いろんなことを感じる心が鈍ってしまう。
それこそ一億総白痴化だ。
 
想像力、思考力・・・大切なものを失わずにいたい。
 
温かく笑いあり涙ありの
素敵な映画

おでこを押して、おならする遊び。
これも、立派なコミュニケーション(笑)
ぷぅ~~。おならと一緒になんか出た((>д<))
青空にはためく三枚のパンツ。
小津さんワールド、やっぱり素敵。

ということで、娘の好きな作品紹介でした。