この世界で
一番強い人間は幼子
という台詞が深い意味を持つ
サイコスリラーの傑作です。
生活のため強盗し絞首刑になった父が
息子に遺言する。

「妹を守れ。

隠した金は将来使え」

父なき後、幼い兄妹の家へ

牧師を名乗る男がやってくる…


 

狩人の夜

チャールズ・ノートン監督
1955年
ロバート・ミッチャム
リリアン・ギッシュ


 

※2018年5月の記事を再UP


精神性と宗教色がある、異色の名作。

おとぎ話や聖書で味付けされた物語に

親子で魅入られました。



感想 

牧師の目的

少年の父が遺した1万ドル。



母と結婚し、
新しいお父さんになることで
大金を手に入れようと目論みます。


牧師の正体
知った兄妹に身の危険が迫る!!!

危なっかしい子どもたちが

逃げ切れるのか…

魔の手にかかった母親が

水の底に揺れる様子は大変美しく

まるでヨーロッパやロシアの映画!


羊のフリをした狼に騙される大人たち。

善悪を見極める目をお持ちなさい。
そう言われているような1本。

タイトルの狩人とは、誰でしょう。


狩人2人いるのかなぁ。

悪い狩人(ロバート・ミッチャム)
羊の皮をかぶった狼。

女性に好意を持たれても
性的に応えることができない。

自身の現実から目を背けるために
「女性を憎悪
退治することで
神から報酬をいただくのだ」
という独自の哲学で正当化します。
指には入れ墨が。

左手にはHATE(憎悪)

右手にはLOVE(愛)


両手を組んで一人腕相撲
憎悪がたたかうパフォーマンスは
まるで人間の心。
どきっとして、ゾッとします。

良い狩人(リリアン・ギッシュ)
狼から子羊を守ります。

居場所のない子を引き取り

を与えるクーパー夫人。
↑たとえ贈り物が
壊れて動かない懐中時計だとしても
ジョンにとっては最高の宝物。

聖書の物語を聞かせ、

あたたかい日常で心をほどいていく。

幼子を守るためには、
ライフル銃を手にする彼女。
まるで聖母マリアと天使の絵のよう。

一番好きな場面
妹を守ってきた兄が叫ぶ場面。

父との誓いを守る兄が、
ついに手放す瞬間。
人形を投げつける。
こんなもの要らないよ。
返すよパパ!

あぁ、
本当はお父さんに言いたかったんだなぁ。

お金なんか要らない。
という心の叫び

妹を守るため
気丈夫に
親がわりをつとめてきた兄だけど
ショッキングな場面と父が重なり、
めて心の底にあった言葉が出る。
深く傷ついていたんだなぁ。。。
ぐったり倒れたジョンを
抱きかかえるクーパー夫人。

子供は一番強い人間です。
神が与えた忍耐力をもっている。
身を切る雨風を受け入れ、
環境に適応する強さを持つ」

ほんとうにその通りだなぁって思います。

子供は一番弱いと思いがち
だけれど
惑わされがちな
大人と比べれば遥かに強い。
美しいファンタジーホラー
「狩人の夜」でした。