依頼人から逆恨みされる弁護士一家
14年間の服役をおえて出所したマックス。
なぜ彼が自分の弁護人に
復讐するのか?
警察や法は不明瞭な犯罪の前では
役に立たない。

「ケープ・フィアー」
マーティン・スコセッシ監督


1991年アメリカ
ニック・ノルディ
ジェシカ・ラング
ジュリエット・ルイス
(画像お借りしました)

録画してたサイコサスペンスを再鑑賞。
ヒッチコックデパルマのオマージュカットや
演出がとても多いので、
ヒッチコック好きな私にとってたまりません💓

音楽も「めまい」「サイコ」に似てる~~!
と、思ったらバーナード・ハーマンやん。
本人とは(≧∇≦)


「狩人の夜」を思い出す刺青。
「狩人の夜」は、愛と憎しみ
「ケープ・フィアー」は、真実と正義

シャイニング理由なき反抗鳥、
ダイヤルMを廻せ、泥棒成金、ロリータなど
色んな映画が散りばめられた1本。

マーティン・スコセッシ監督作なので
ロバート・デ・ニーロ魅力いっぱい💓
16歳の思春期の娘を
ジュリエット・ルイスが演じています。
演技がめちゃウマ!
歯列矯正器具を装着していても、セクシー💕
聞き分けのよい娘じゃないので、
こちらをイライラさせてくれますよ(^_-)-☆
こどもと大人の狭間をいったりきたり。
取扱いが難しくて、パパもお手上げ(苦笑)

今作は「恐怖の岬」のリメイク版です。
旧作の主演2人が友情出演されてます。
(^◇^)≧(´▽`)≦わぁーい。


旧作で主人公を演じたグレゴリー・ペック
サイコパスの弁護人という
ジョークのような配役(笑)
偽善的な役をノリノリで演じておられますよ。


殺人鬼を演じたロバート・ミッチャムが
今作では、
主人公に悪知恵をそそのかす警部(笑)

両者ともに味方になってくれない。
スコセッシ監督の遊び心ですねぇ。

ブラックユーモアのある台詞、
憎い演出ですよ('-^*)/


【感想】
失う恐怖を学べ。

善人や正義の味方など
クリーンな人物は出てきません。

偽善的、打算的、臆病といった人たち。

つまり、普通の人。

恨みを持たれている人が
恐怖におののく物語。

それが「ケープ・フィアー」です。

被害者加害者の追いかけっこ! 立場がぐるぐる入れ替わる
一方だけが 
傷つけられるわけではなく、
どちらも傷つける側になる。
監督は中立の目線
恐怖について描いています。

なので、私も一方に肩入れせず
じわじわ迫るスリルと恐怖を楽しみました(^-^)
ロバート・デ・ニーロが演じる
マックスの圧倒的な存在感!

人の弱点を瞬時につかむ
純粋さや弱みを利用するモンスターです。

非情で暴力的な顔。
法を勉強し罠を仕掛ける頭脳明晰な顔。
空港の職員の同情心をあおる弱々しい顔。

相手にあわせた顔を持ちます。

15歳の少女ダニエルの前では
哲学と孤独を愛する青年の顔。

憎しみや怒りを取り除くと、
たとえモンスターであっても
一瞬、ハンサムで美しく見える顔に。


ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家
の舞台セットで狼と赤ずきんのような
マックスとダニエル。
少女がいまにも食べられちゃいそう。
危なっかしい。

反抗期まっただ中の女の子は背伸びしたいお年頃。

危険な香りに惹かれ、
彼と絆を感じるような気がする。

この人と、犬の死は関係ないんじゃないかしら?

わからず屋の両親が
誤解して騒いでいるだけなんじゃない?

思春期の心理サイコパス
やりとりに、ドキドキ。

マックスは刑務所にいる間、
字を読めるようになり、
聖書・法律書・詩・哲学・文学をマスター。

法の抜け道を知り尽くしたサイコパス
先手先手を打って、
弁護士サムから全てを奪おうと、
計画をすすめる。



一方、自分では闘おうとぜずに、
他人頼み&逃げる弁護士サム

探偵が泊まり込みで警護する。
「恐怖を楽しめよ」と余裕ありげの探偵。

クマのぬいぐるみと窓を、釣り糸で結ぶ。

侵入者がくれば、ぬいぐるみが動く仕掛け。

クマがかすかに動いた!

探偵に緊張感が走る。
ほふく前進で、敵を迎えうとうとするが・・・


人間は
「自分が傷つけられたと同じだけ、
相手にも苦しみを与えたい」

そう考えるとき
復讐という魅力のとりこになってしまう。



自由を失う恐怖、

人としての尊厳を失う恐怖、



相手が同じ苦しみを味わったとき

ようやく同じ土俵に立てる。

もうこのくらいで許してやろうかな・・・

いや、まだダメだ
自分の苦しみは
こんなもんじゃないぞ。


過去の恨みから
抜け出せなくなった男。

ハウスボートで川へ脱出する弁護士一家。

殺人鬼が襲いかかる、
恐怖の一夜がやってきた。
弁護士は縛られ、
には手錠、
は棚へとじこめられる。

舟は大波に旋回し、
立っていられないほどの大揺れ。

岩へぶつかり、バリバリと大破していく船体。

彼らの運命はいかに?



恐怖を学ぶ力に変えろ
サイコパスから言われた少女。



彼女が学んだこととは?



過去に執着すると毎日死んでいく。

だから
恐怖を思い出さないように
生きていきたい。

少女のひと夏の思い出は、恐怖とともに。

※2018年5月の記事を再UPしました