鳥はなぜ人を攻撃するの?
理由などわからない。
人はなぜ人を攻撃するの?
自分の中に浮かぶ不安な気持ちを解消したいから。
「なんだかモヤモヤする。」
「自分の立場や価値観が揺らぎそう・・・」
自分にとって
危険な相手を敵視する。
 
 
アルフレッド・ヒッチコック監督
1963年
ティッピ・ヘドレン
ロッド・テイラー
ジェシカ・タンディ
ヴェロニカ・カートライト

 

 

「鳥が襲う理由など
どうでもいい、
描きたいのはそこじゃない」
 
ヒッチコック監督は語ります。
 
人の深層心理を楽しむ映画です。
 
なので
”映画をストーリーでのみ読む人は、
ヒッチコック映画は楽しめない”
と言われます。
 
他人の腹をさぐったり、
のぞいたり、聞き耳をたてたり、
後をつけたりする登場人物たち。
 
そういう人間らしさによって
ドキドキハラハラ、
サスペンスが生まれます。
 
今作では
不安にさらされたときの緊張感
が描かれていて、そこが私の好み。

 

 

  あらすじ

 

鳥専門店で知り合うメラニーとミッチー。
ミッチーは、妹の誕生日に贈ろうと
インコをさがしていた。
メラニーはこの男へ好奇心を持ち、
ちょっとした悪戯を思いつく。
 ラブバードをサプライズで届けるため、田舎町を訪れる。
そこで、原因不明の鳥の奇襲
うけることとなる。

   感想

の脅威人間同士の脅威

ヒロインが体験する4つの恐怖
わかりやすく描いてくれています。

田舎町へやってきたメラニー。

彼女が最初に出会うのは小学校教師


昔ミッチーと恋仲だった彼女。

いまだに彼への未練があり、
離れたくなくてこの土地に暮らしている。

 

そんな彼女の前に、
突然現れたブロンドの美女。
この女、
ミッチーとどういう関係?

ふと目をやると、車の座席におかれた鳥カゴに気づく。

「かわいい鳥ね。なんていう種類なの?」
ラブバードよ」
それを聞いたとたん、
教師の表情が一瞬こわばる。

「・・・・なるほどね。」

自分にとって脅威を感じた瞬間、
あきらめたような顔に変わる。

そして、ひとこと「幸運を」

に遭遇するのは、ミッチーの母親

ラブバードを届けたことを聞くと
「まぁ、そうなの…」
怪物でも見るような怯えた瞳
メラニーをじっと見つめる。
ジェシカ・タンディの演技がすごい↓
目の前に突然現れた綺麗な娘。

うちの息子、誘惑されているんじゃないかしら?
不安がどんどん膨らんでくる。

でも、自分の器が小さいことを
認めるわけにはいかないわ。
礼儀ただしく、親切にふるまおう。
わからずやの母親だと思われたくないもの。

数年前、夫を亡くし

心の拠り所を失った母リディア。
子供たちだけが頼り。

息子の心が離れ、
自分が一人孤独になるんじゃないか

いまだに夫が亡くなったことが

受け入れられない。
よく眠れないし、いつも気が休まらない。

メラニーのことを好きになりたいけれど
自信がない
そんな母親の気持ちを察しながら、
気づかぬふりをするメラニー。
両者の間に流れる緊張感

人間を襲うカモメやカラスよりも



 

3つ目に遭遇する恐怖は、
地元の人々

鳥に詳しいという老婦人が言う。
「鳥が人を襲うなんて聞いたことない」

断固として自説を曲げようとしない
事実を認めないことで
恐怖から目を逸らそうとするのです。

しかし、

トリの攻撃を目撃した人々は大混乱!!
 

恐怖のあまり
誰かのせいにしたい。
よそ者であるメラニーに
怒りの矛先が向けられる。
住民女性が叫ぶ。
「あなたが町にきたせいで、
こんなことが起きた。魔女!


そして4つ目の恐怖

定期的に群れをなして人を襲う。
わからない相手が一番、怖い。
仲良くなる方法も、
撃退する方法もわからない。

しかし、人は共通の恐怖を持つと
連帯感を持つ。
命の危険の前では、
みんな平等同じ立場になるんですよね。

 

襲われたメラニーは、ショックで呆然自失。

リディアは彼女を介抱し、包帯を巻き、
よりそいながら、車へ一歩一歩進んでいく。
 

車の後部座席で、
メラニーの指がリディアの腕をる。
ずっと夫や息子を頼りにしてきた私。
その私が頼られている!

そっと微笑み返すリディア。

彼女の心の中から、不安が薄れてゆく。
 
恐怖人の距離を縮める
こともあるんです💓

たくさんの鳥たちが混乱し大暴れするなか、

つがいのラブバードだけ
変わらず落ち着いている。
 
こういう演出が
ヒッチコック監督の面白味だなぁ(≧▽≦)


※2018年5月の記事を再UP