娘が大学と治療を両立していた頃
希死念慮という発作が頻繁に起こり、
相当な苦しみと闘っていました。
この発作はうつ病の典型的な症状。
脳神経の誤作動で起こります。
「私、死にたくない。
でも、発作に殺される!
うつ病になるまで
生きることがこんなに大変とは
思いもよらなかった。
療養しながら生きぬく人たちって
本当にすごい。
なんとか私も生きのびたい。
何か方法がないものか?」
映画ファンなら一度は目にする
志村喬さんのブランコシーン。
午前十時の映画祭7
ラインナップにあった作品。
娘の感想
黒澤監督作品を大きなスクリーンで初鑑賞。
志村喬さんが市役所職員を演じています。
人間が死を宣告されたら
前半は、主人公の目線で話が進む。
彼が自分の生き方を見つめ直す過程が
丁寧に描かれます。
後半は、周囲の人間目線。
職場の人間の目を通して
彼がどのように職務を全うしたかが描かれます。
印象的だったのは
部下だった女性と話す場面。
ここで自分がガンだということを
初めて伝えます。
「自分には生きがいがないけれど、
残りの人生を有意義に過ごしたい」
それを聴く、とよさん。
彼女は役所を辞めて工場で働いています。
工場で作ったウサギのおもちゃを見せる。
世界中の子どもたちと遊んでる気持ちになるの。
あなたも楽しまなきゃ損よ」
そこでハッとした渡辺さん。
今の職場でも出来ることがあるのではないか。
彼の表情に生きる力がよみがえります。
ここで流れてくるのが
ハッピーバースデーの曲![]()
渡辺さんととよさんの反対側の席では、
大勢の人が友人の誕生日を祝っている![]()
大声で歌いながら手を叩いて。
その声に見送られるように階段を駆け下りる渡辺さん。
彼の新たなスタートが
祝福されているようで素敵な場面でした。
社会というのはズルいものですね。
権力者は手柄を横取りするし、
下のものはそれに従う。
しかし、
渡辺さんはそんな低レベルな次元で
生きていなかった。
重役たちが「うん」というまで
その場を離れない彼の執念。
絶対にやり遂げるぞという
強い気持ち。
ただただ仕事をこなす、
事ながれ主義の人々に対し
渡辺さんは気高い存在として描かれます。
そして
彼の生き様は公園という形になって
生きている。
ゴンドラの唄。
彼が歌う場面は2カ所。
この2つの場面、どちらも感動しました。
どう生きるか模索しているとき。
ダンスホールで「ゴンドラの唄」を演奏してもらう。
大きな目に涙をいっぱいためて。
これからどうやって生きよう。
誰にも言えない心細さ、押し寄せる不安。
彼の表情が物語ります。
そして、完成した公園で。
仕事を成し遂げたな。
これで思い残すこともないな。
しみじみと歌う渡辺さんの姿にグッときました。
いのち短し 恋せよ少女
黒髪の色 褪せぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを












