本が人間を不幸にする。
あらゆる書物がやされる社会。
この社会では消防士の仕事
をつけること。
ある日、一人の消防士が通勤電車で
一人の女性に遭遇する。
彼女に影響され、はじめて書物を開くと
彼の心に何かが芽生えた!
 

 

 
華氏451
フランソワ・トリュフォー監督

オスカー・ウェルナー

ジュリー・クリスティ
(画像お借りしました)


SF映画だと思っていたら!!!
私にとってホラー作品でした。

 
 
ディストピア小説をもとにした映画。
華氏451とは、紙が自然発火する温度のこと。
 
転勤族の私が引っ越すたびに、
とりあえずチェックするのが図書館

 

ライフスタイルによって、
借りるものが変わっていきます。


学生時代は

松本清張、森村誠一、横溝正史、ミステリを。
 

娘が幼い頃は、

子育て、料理、手芸、PTA広報、

リクレーション企画書を。
 

今は

哲学、映画、脳神経・心理学、

自己啓発本、心療内科専門書。
 
ゴダール監督「アルファビル」が気に入った私。

 

すると娘が
「トリュフォーの華氏451もいいよ」
と、教えてくれた1本です。

レンタルしてみると

似て非なる2作品にビックリ目

 

 

あらすじ 

 

本を見つける達人の消防士モンターグ。

昇進を前にはりきっていた。
ある日、通勤電車の中で

 

一人の女性に声をかけられる。

彼の心の中で何かが引っかかる
妻に内緒で

こっそり本を読んでみることに。

彼の運命は?

 

 

感想 

 

2つの社会が描かれます。

 

1つ目は本を危険し排除する社会。
物事を深く考えないのが
人間の幸福だという都会
 
それに対して
本に人生を捧げることが
幸福と考えるの社会。

 

 

どちらも本を燃やす。
一方は禁止するために。
一方は守りぬくために。


 

 は有害で人間を不幸にする存在
小説は妄想をかきたて悲しみや怒り、

感情を湧き上がらせる。


自伝は自分の人生を自慢するもの。


哲学書は危ない思想を植え付ける。
 

人間は知識を得ると、

人より偉くなった気分になり

他の人間を見下すようになる。

だから
幸せでいるために考えるな。

TVをみなさい。
スポーツをしなさい。
そういう社会が描かれます。


少年が地面に捨てられた本を拾いあげ、

パラパラ頁をめくる。
サマセット・モームの月と6ペンス


消防士から、うながされる父親。
少年の手から本をとりあげて投げ捨てる。
 

ダリの図録、
クラシック音楽の本、
アリストテレス、ニーチェ、
映画の本、童話、伝記・・・
あらゆる書物がにつつまれ、
黒こげになっていく様子。

うわぁ~、、名作が!
嵐が丘が、勝手にしやがれが!

貴重な宝の山、人類の財産が灰になる。

読書好きな人にとって
トラウマになりそうな名場面!!!!

消防士モンターグが

夜中にこっそり読んだ本は、
ディケンズ著「デビット・コパフィールド」
文字を指でなぞりながら朗読する。
”誕生の章。オギャーと産声をあげた”
その瞬間彼の心の中に感情が誕生

 
じつは私。
都会から森へたどりつきさえすれば
人間らしい暮らし
待ってるにちがいない。
 
そう予想していました。
 
しかし!
 
森の社会では
人々は本を伝承するために
一冊選んで暗記する。

本になり、

本として生きるのです。

 
人間というよりも
本の番人なんです。
 
自己紹介をする双子。
「こんにちは、私は高慢と偏見です」
「こんにちは、私はマルクスの資本論です」
 
私だったら何の本になりたいかしら?
源氏物語の暗記なんて
一冊でも無理だなぁσ(^_^;)
 
本は好きだけど
私はやっぱり人間でいたいなぁ。
 
 
余命が短い老人の隣に
少年が座っている。

 

老人は死の床で本を口承する。
少年は耳で聴き、記憶する。

老人の亡骸の横で、

何度も本の一節を唱える少年。

 
その姿にゾッとします。
 
「おじいさん…」
手を握るわけでもなく
涙を流すでもない。

 

人間らしさが感じられない。
 
あれあれ?
人と人とのつながりが希薄じゃない?
 
森の人々は、
互いに視線を合わさず
黙々と歩き続ける。
朗読しながら・・・
 
たしかに
高尚な社会だけど、
人間性豊かと呼べるのかどうか。
 
 
喧嘩したり、厄介なことがあったり
くだらないことも含めて
人間の営みなんじゃないのかなぁ。
 
 
都会の社会、の社会が、
私たちへ問いかけます。

「幸せとはなんですか?」

 
※2018年4月の記事を再編集しました。