母親にとっての恐怖は子供がいなくなること。
4歳の娘が初登園の日。
保育園へ迎えにいくと娘だけがいない。
他のこどもたちは
ママたちの腕に抱かれて帰っていく。
「バニーはどこ?
うちの子だけがいないわ!
誰か見ませんでしたか?」

 

 

 
バニー・レークは行方不明
オットー・プレミンジャー監督
1965年
ケア・デュリア
キャロル・リンレー
ローレンス・オリヴィエ

マニアな方々の間で人気の高い

 
「バニー・レークは行方不明」
冒頭からクライマックスまで
目が離せない演出(≧▽≦)
 
グロテスクな場面も
残酷な描写もないのに
これほど恐怖を楽しめるとは!!
 手が黒い紙を破るオープニング。

「おしゃれ~」期待感が高まります。
「バルカン超特急」「フライトプラン」と同じく
人間の存在証明モノです。

 

   
あらすじ

兄とともに米国から英国へ越してきたアン。
4歳の娘バニーを初めての保育園へ送り
自宅で荷解きをする。


お迎えの時間になると、

たくさんの子供が母親の腕に抱かれていく。
 

アンは娘の姿がないことに気づく。
「バニーはどこ?うちの子だけいないわ」

警察犬も動員して保育園をくまなく探すが

目撃者すらいない

「この国に来てから

お嬢さんを目撃した人いるんですか?」

娘の存在そのものが疑われていく…

 感想

バニーが戻ったら

一生目をはなさない。

娘の存在を疑われ精神を疑われるアン。
 
 「うちの子が消えたのよ!
靴下がなくなったのとはわけが違う!」

 


娘がいる証拠が欲しい。
写真もパスポートもスリッパも

歯ブラシも消えてしまった。

とともに娘をさがす長い一日がはじまった。

きちんと束ねられていた金髪の髪が

徐々に乱れていく。
涙で化粧はくずれ、顔はやつれていく。


 

誰が誘拐したのか?
嘘をついているのは一体・・・


保育園の園長、大家さん、人形修理職人
登場人物全員がしい。

 誰だって多かれ少なかれ
おかしいのよ」
と、園長。
 
可愛がられすぎる
傷ついてしまうんだよ」
と、人形職人。
 
皆、どこか正気じゃない空気が漂う。
怖い。 
必死でさがす母親までも、狂人にみえてくる。

中盤以降、
スリリングな展開がいっきに加速。

 

 
幼少期の想像上の友だち
「バニー」と同じ名前をつけた我が子。
 
妄想のバニーは葬り去ることができても、
実の愛娘バニーは諦めることなど
できやしない。

 

アンのが娘に注がれれば注がれるほど、
犯人の心がかき乱され、我慢ならない。
 
クライマックスでは
恐怖の遊びがはじまる。

 

私たちも、アンと同じく

「ギョッ」とした顔になります。

笑い声をひびかせながら

広い屋敷の部屋から部屋へかくれんぼ
 
犯人の心理を知り尽くしているアンは
 
「言うことをきかないと
もう遊んであげないわよ!」
 
脅しながら、犯人をあやす。
 
駆け引きの遊びです。
 
トランポリンで跳ねる犯人。
 
桑の木を歌いながら、
逃げ出すチャンスをうかがう。

 

狂気正気をいったりきたりするように
ブランコがゆれる。
 
「空まで高く!
もっと高く!
ハイヤー!」
 
カメラアングルが高くなったり、
低くなったり、
恐怖をあおる撮り方に背筋が凍る!

 

人って、必死になればなるほど
狂気にみえてしまうものですね。
 
はたして結末は?
 
おすすめミステリーです。
 
※2018年の記事を再UP