夜が終わらないうちに目が覚めてしまって、
居間に降りてきた。
仕事に行くおとうさんを軽く見送って、
テレビも消してひとりでぼうっとする。
ストーブの音だけしてる。

この一週間、ずっとずっと夢の中にいるみたい。
お休みいただきますって、職場に電話したときだけ現実に戻って、あとは夢の中。

ふわふわしながら、でも引っ張られるからとりあえずそこに向かって歩く。心は半分どこかに置いたままで。

ねえ、戻りたくないよ。
この街をひとりで出て行ったくせに、
あの街にひとりで戻るのがこわい。


仕事なんてやめちゃおうかなー。もう戻らないでここにいようかなー。なんて、冗談が冗談にならなくなりそうで。
あんなに楽しみにしていたことも、今はちょっとどうでもよくなってしまった。

自分一人が傷ついているわけじゃないの、
家族も親戚も、それぞれに心を痛めているの。
だから、おかあさんの前でもおとうさんの前でもおにいちゃんの前でも泣けない。
まだちゃんと泣いてない。
ちゃんと、ってなんだよ。

これからわたしはどう生きていったらいいだろう。
絶望しているわけじゃなく、
感情的になっているわけじゃなく、
冷静に考えようとしてる。

考えようとすると胸のまん中が苦しくなる。

2月の記憶がほとんどない感じです。
LINEとかメール見返してみても、誰か別の人がわたしの代わりに話してるみたいだよ。
眠れなくてここにきたよ。

疲れているから眠れないんだきっと。

祖母の葬儀が終わりました。

何年ぶりかの大雪だという積雪量。

名前がユキちゃんだから雪なんだね、ってクスッと笑った。

終わってほっとしているような気もするし、終わってしまって徐々にやってくる喪失感におびえているような感覚もあって。

今は宙ぶらりん。





お別れが近づいている。

間に合った。

ありがとう。
待っていてくれて。

まだわかるんだなぁ、わたしのこと。

ほとんど開いてないんだけど、左目だけ一生懸命開けて、見つめてくれてありがとう。

なにかしゃべってくれてるけど、もう何言ってくれてるのかわからなくて、ちょっぴりくやしいけど。

また明日ねって

明日が来てくれるかもわからないの承知で

無理やり笑って

また明日ねって

おでこなでて帰ってきた。

あたたかかったよ。



静かな夜だ。
ふるさとはきーんと冷えていて、
お布団から少しでもどこか出したらすぐにそこが冷たくなってしまう。

眠れたら少し眠ろう。