震災が、起こって一番心配されたのが、暴動が起こるのじゃないのかということだった。

電気も電話も通じないのだから、なんの情報も手に入らないのだ。

噂が噂をよんで、食料の強奪だって起こりかねない状況だったんです。

警察も機能していないのだから犯罪行為だって野放です。

全国各地から今がチャンスと犯罪者が神戸目がけて集結してくる。。

そんな中で治安が保たれたのは、地震でずたずたになっても絶対に休刊しなかった神戸新聞なんですよ。

家が倒れていたら、住んでいた人がいると思われる避難所まで新聞を配達してくれたのです。

何も情報を知らないのだから、どうなっているかわかることがどんなにありがたいか。

食料がこちらに向かっていることを伝えている。

警察が機能してなくても自衛隊が向かっていることを伝えている。

どんなに心強かったでしょうか。

新聞を配っている配達所の兄ちゃんのおやっさんは、震災で亡くなってそれどころじゃないのに、
親父なら絶対に配れって天国で言っているはずと必死で配っている。

記者たちの家族だって亡くなったりしているのに、絶対に輪転機は止めないって誓って新聞を作っていたです。

記者が、頑張って取材し全国に伝えてくれたせいで、全国に神戸の治安は保たれていて犯罪の余地がないことを

知らせてくれたのです。

盗賊や犯罪をもくろむものから神戸を守ってくれたのです。