備忘録…ハートネットTV 9月24日 | natsuhoのブログ

備忘録…ハートネットTV 9月24日

9月24日のハートネットTVは、
「シリーズ貧困拡大社会 行き場をなくした女性たち」の第1回。

大きく分けて2部構成。

1部は、40代の女性を取り上げていて、
彼女の状況は3人の子ども持ち、夫とは別居状態、離婚調停が出来ていないため養育費をもらえない。
パートで生活費を稼いでいたが、2年間うつ病を発症、無職期間の借金返済のため、デリバリーヘルスで働く。

生活保護を受けることも考えたが、様々な制約があり、子どもも好きなことを出来なくなると知って、少ない収入で生計を立てようとしている。
生活費のために働く時間が長く、子どもとコミュニケーションが取れていない。
せめて大学まで進学させたいと、風俗店での勤務を続けている。

生活保護というフォーマルなセーフティネット。
短時間で高額を稼げる風俗店という、インフォーマルなセーフティネット。
インフォーマルであれ、社会のセーフティネットとして機能を持ってしまっている風俗。
そこで働くことがタブー視され、そこで働いていることがフォーマルなセーフティネットを利用する妨げともなっている。
しかし、本当に必要な支援とは、インフォーマルなセーフティネットに手を出さざるを得ない状況にある人なのではないか。

…ちょっと別視点だけれど、取材を受けていた日、その女性が受けた仕事は1件だった。
その日の手取りは7,000円弱。
値段じゃない。
値段じゃないとは思うけれど、自分の身を削って、心も削って、子どものためと我慢して働いた報酬が7,000円弱。
性が消費財として見られていることへの憤りというか、虚しさというか。

風俗店が「短時間で高額を稼ぎたい」人の働き先として候補に挙がってしまう。
もっと他にも働き方があることを知らせなければならないし、
働き口を作らなければいけない。

(誤解を招くかもしれないが、)風俗店で働くこと、働いている人を否定はしない。
けれど、やむなくそこで働く人がいるのであれば、他の選択肢を用意しなければいけないと思う。


2部は、家を持たず歌舞伎町で寝泊まりする20歳の2人組の女性。
それぞれ家庭の事情で家には帰らず、ホテルやカラオケで夜を明かし、キャバクラなどで働く。

「この状況を脱したい」とは言うものの、「大卒でさえ就職が難しい時代に、高校を中退し、16歳から家に帰っておらず、職歴は飲食店や風俗店。そんな自分が定職につけるとも思わない。」と語る。
「今が楽しいからそれで良い」とは思っていない。
彼女なりに社会を分析し、(しかもそれはかなり正確でもある、)現状維持しか選択肢がないと思っている。

1人は、親から虐待を受けた経験があり、大人を信用できなくなったと言う。
「自分自身を大切にする」という感覚もない。

2人とも、「人に囲まれてないと死んじゃう」と。寂しさが怖い、とも。
「自分」が分からなくなってる。
人と居ることで、かろうじて「自分」を保っている。

20歳という若さで、社会に対して、自分に対して持つ絶望感の大きさが量りしれない。
「まだまだこれから」と言える年齢なはずなのに。

自身の責任ではなく負ってしまったレッテルを、どうしたら剥がせるのか。
剥がせなくとも、それを受け入れて更生できる道筋を、どうやったら示せるのか。



母子家庭=貧困、貧困=不幸、ではない。
父母が揃っていて、収入が潤沢であれば問題がないわけでもない。

けれど、この番組が伝えたかったのは、
こういう事実があること、
貧困を救うセーフティネットがどのように機能しているかチェックする必要があること、
就いている職種だけでその人を評価するのは不十分であること、
若者の更生に少しでも理解を深められること、
そういうことだと思う。




駄文・散文ですが、備忘録として書かせてもらいました。