大野さんは気骨のある人だからね。

度胸と責任感がすごいんだよ。

たとえ炎が上がっても。

 

 

 

2015年5月9日 柳刃包丁を作ってみよう(燃え上がる炎)

 

 

 

浴びる1000℃の熱さに耐え、

握る100℃の熱さに挑み続けて包丁を形にした大野さん。

 

 

 

次は焼き入れ。

包丁を熱した後、冷たい油の中に入れる作業。鋼が引き締まるんだって。

 

 

 

先生「急冷することによって、堅さと粘りが一気に出ますので、そうすることによって刃を薄くし          たときに切れ味がよくなる。」

真剣な顔で窯を見つめながら聞く大野さん。かっこいい。

 

 

 

油に入れるタイミングは、

先生「本当は色で見るので、夕方か朝方なんです。実際に焼き入れやるときには。」

刃が夕日色になった瞬間で判断するのだとか。

 

 

 

この説明を聞いているときの大野さんが、

すごく美しい。

 

 

 

それこそ髪の毛が夕日色に輝いている。

透明ゴーグルの似合う端正な顔。

 

 

 

先生「こん中入れたらぐるぐるやればいいですけど、

      途中で色が冷めすぎだなと思ったら入れないで戻してください。」

 

 

 

火の粉に包まれながら、窯で包丁を熱する大野さん。

赤く輝く包丁を油に入れると…

燃え上がる炎!!

 

 

 

顔近くまで上がる炎を懐に抱きながら、

回し続ける大野さん。

背後で慌てて声をかける先生。

 

 

 

先生「怖ければ放していいですよ。」

大野「…えっ?」(ぐるぐる)

先生「放していいですよ。怖ければ。」

 

 

 

包丁を引き上げ、放心する大野さん。手首辺りをおさえる。

先生「大丈夫?」(笑ってる)

 

 

 

メンバー「いや、すっげえ画だな。」

うん。たぶんその画がほしかったんだろうね。スタッフさんが。

 

 

 

先生は火が出ることは言わなかった。

すぐに腰を抜かして手を放すとでも思ったのかもしれない。

でもね先生、大野さんは勇敢で責任感が強いんだよ。

 

 

 

大野「みんなびっくりしたでしょ?」

かわいい笑顔でスタッフさんを見る純粋無垢な大野さん。

スタッフさんを信じ、気遣ってさえいる。

 

 

 

焼き戻しをして、歪みを叩き、刃付け。

 

 

 

もう余裕で、鋼が立つように機械で削る大野さん。

火花を飛ばしながら削る真剣な顔がかっこいい。

凛々しくて職人さんみたい。

 

 

 

これにて鋭利な刃物となる。

大野「かっこいい。」

もうあなたがかっこいい。

 

 

 

本研ぎも大野さんが行う。

もう風格すらある。

 

 

 

竹でできた柄に差し込んで完成。

差し込んでる最中の大野さんの顔が美しさの極み。

 

 

 

大野「やーすげー、できちゃったよ。」

ピカピカな刃の部分と渋い鉄の部分があって、すごくおしゃれ。

味わい深い。