しやがれ(2012・10・20)②

 

 

 

宝塚宙組の皆さんとコラボレビューするため、

レッスン場へ向かう通路で上着を脱ぐ大野さん。

 

 

 

歩きながら、背中側にすうっと革ジャンを滑らせ、両腕を抜く。

その一連のクールさと色気たるや凄まじい。

滝のような色香。

 

 

 

レッスンに向かう集中力と気迫がそうさせるのか。

よくとらえてくれたカメラさん。

よく残してしてくれた編集者さん。

 

 

 

レッスン中の大野さんがすでに美しい。

美しい中にもアンニュイ。

そして極上のライン。

 

 

 

どうしてこうも身体に気品があるのか。

膝を曲げただけ

踵を上げただけ

腕を広げただけ

すでにうっとりする芸術がそこにある。

 

 

 

すべての関節の軌道が滑らかできれいな形。

それが見事に連動しながら同時に描かれる。

大野さんの軌跡がつくりだす美しき宇宙。

 

 

 

左腕が、背中寄りから大きな弧を描けば、

それに合わせて理路整然と頭、肩、骨盤、膝、足首が座標を決める。

もっと見ていたい。

ずっと見ていたい。

 

 

 

本番。

イントロ。

少しの動きでもリズムをばっちりつかまえて踊る大野さん。

 

 

 

跪いた姿勢の美しさ。

筋肉がねじ込まれていそうな太もも裏。

 

 

 

かなめアニキとペアで踊る一瞬。

位置を決める足だけでもかっこいい。

指の開き方と形、目線までもが麗しい。

 

 

 

そしてすごいのが、

待っている間悠然として一切動かないこと。

動き出しが近づいてもそわそわしない。

それがダンスの品格を格段に上げる。

 

 

 

動き出すと、

常に美しい姿勢を保ったまま緩みのない大きな動き。

反りや張りが誠に素晴らしい。

 

 

 

まさに四方八方から身体を引っ張られているかのよう。

この日、かなめアニキが教えてくれた、

「脚と脚の引っ張り合いを大切に」にも通じる。

まさに360度から引っ張られている、

それが大野智のダンス。

 

 

 

そして何だろう、大野さんからあふれる余裕。

即興なのに。

 

 

 

場所移動では、大野さんが一番長い距離。

逆サイドの中段から、下手集団のセンター一番前までクロスで移動。

 

 

 

脚を美しく引き寄せながら男役トップスターを通し、

奥から来た男役さんをもう一人通し、

さらには自分より後ろの立ち位置の仲間の後方を迂回してから、

風のように間をぬって一番前に躍り出る大野さん。

 

 

 

これだけ人に道を譲って、

寸分たがわぬタイミング。

しかも焦った様子の微塵もない

華麗な踊りだし。

 

 

 

余裕の美貌ときれいな胸の張り。腕の回旋。

股関節の柔らかさと強さがダンスを鮮やかにする。

大野さん特有の弾けるような膝下の躍動感も健在。

まさに凰稀かなめさんとの華やかなツートップ。