大野智(W)主演連続ドラマ「魔王」最終話放送の1週間程前に、国立競技場でのAAAコンサートが行われています。「魔王」は基本的に壮絶な悲劇ですから、その撮影と準備をしながらのコンサートの準備は、想像を絶する激務だったことでしょう。そんな状況(2008年は、その外にも舞台・ソロコンサート・個展・24HTV司会も行いました)での質の高いパフォーマンス。
パフォーマンスの素晴らしさと同時に、大野さんの置かれている環境と生活の壮絶さ、大野智という存在の尊さを感じずにはいられません。
喜びも苦しみも凄まじい努力も、大野さんは美しさに昇華させて 私たちを照らしてくれる。
私の好きなダンスについて紹介しています。今日は
「Take me faraway」
「ARASHI AROUND ASIA 2008 in TOKYO」disc2
静かな美しさ。
儚げな美しいお顔に寄り添う黒髪。
細身の美しい体を包む、黒とゴールド。
白いグローブ。
「オーオオー」
闇に染み込む美声。
うつっている上半身からだけで想像できる 滑るように踊る足元。
「瞳閉じれば」
どんなにゆっくりでも美しく、なめらかなターン。
スピードと美しさを 自在に操る大野智。
円形のステージに辿り着いてすぐの
「オーオオー」の唇。
人はこんな美しい唇で歌えるものでしょうか・・・。
少しせり上がった円形の中で踊る 羽のように軽やかなステップ。
目くるめく滑らかなターン。
この世のものとは思えない美しい身のこなし。
椅子とのパフォーマンスが艶を添えつつも、
美しい孤独を感じさせる。
そして「いつまでも」の圧倒的な高音。
フレーズ終わりに薫る激情。
段を降りる 重さのない移動。
およそ人間の動きではない。
「おもいを全部 感じてる」
甘い声にのせて 滑らかに波打ち 美しく移動するしなやかな体。
「瞬間をえがいてる」の切なくも美しい横顔
「オーオオー」の唇から放たれる 憂いと色気。
美しい声とともに 夜空遠く。
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大野さんのダンスが神々しい一因は、人間にあるはずの現象が感じられないからでしょう。高く跳ぶために力むとか、床に戻った衝撃で大きな音を出すとか。
いったい、どれだけの時間と情熱を捧げれば、こんなことができるのか。