雛鳥は生まれて1番最初に見た動物を親と認識するそうですが、そう考えると音楽面に関して言えば長渕剛さんが僕にとっての親(ルーツ)の様な存在なのかも知れません。
ただ、そうは言っても実際に長渕剛さんの音楽にハマっていた期間は短く、ドラマで言うと1988年放映の『とんぼ』から1991年放映の『しゃぼん玉』辺りまでで、唯一持っていた長渕さんのCDアルバムも1991年発売の『JAPAN』のみでした(とっくの昔に売り飛ばしましたけどね…)
チンピラキャラを脱却し、肉体改造してガチの武闘派(極真空手出身)へと変貌を遂げた『しゃぼん玉』以降のドラマは一応惰性で観てはいましたが、あまり面白く無かったです(長渕さんの演技は好きなんですけどね…)
僕が最後に観た長渕ドラマは1997年の『ボディーガード』なのですが、長渕さんの舎弟役に大仁田厚が登場した時は「なんで大仁田やねん!」と思わず突っ込みを入れてしまいましたよ。
やっぱ長渕剛の舎弟役は哀川翔じゃなきゃね!
個人的にはいつか清原を舎弟役に迎えたチンピラドラマをやってほしいと思っていましたが、それも今となっては叶わぬ夢となってしまいましたね(笑)
それまでは3~4年おきに制作されていた長渕ドラマですが『ボディーガード』以降は需要が無くなってしまったのか、長渕ドラマもパッタリ途絶え、ドラマがあったから辛うじて長渕剛の音楽にも触れていた僕もいよいよ長渕離れが著しくなっていきました(それでも1999年公開の長渕剛主演映画『英二』は観に行きましたがね…)
洋楽ロックを聴き始めてからは長渕さんの存在すらすっかり忘れていた僕ですが、それでもたまにコンビニや喫茶店などで長渕さんの曲が掛かるとついつい聴き入ってしまうのは"長渕剛の音楽こそ僕のルーツ"という意識があるからなのだろうか…
僕にとって長渕剛はどう足掻いても素通り出来ない存在になっているのでしょう。
ところで冒頭でも触れた通り、僕が初めて買ったCDは1988年発売のシングル『とんぼ』なのですが、1988年と言えば僕はまだ小6です。
当時の同級生達の憧れと言えば光GENJIやトシちゃん(田原俊彦)などだったにも関わらず、まだ小6のガキが何故よりによって長渕なのかと言うと、それは間違いなく当時の長渕好きな担任教師の影響でしょう。
授業そっちのけで『順子』や『巡恋歌』の弾き語りを披露していて、生徒達(勿論僕も含む)は半ば洗脳に近い形で"長渕こそ至高の音楽"と脳内に長渕サウンドを刷り込まれていきました(笑)
しかし、それでも長渕剛なんて只でさえアクの強い芸能人(ミュージシャン)ですから、生理的に受け付けないクラスメイトも沢山いたのですが、僕は見事に洗脳されてしまい、すっかり長渕剛になりきって、ドラマ『とんぼ』の劇中での長渕さんの食事シーン(食べる前に匂いを嗅ぐ)をよく真似したりしていました。
そして、前述した通り洋楽ロックを聴き始めてからは"コンビニや喫茶店で曲が掛かっていたら足を止める"程度にしか長渕さんの音楽を意識していなかった僕でしたが、時は流れ、近年再び僕の中で"長渕ブーム"が訪れるきっかけとなる"2016年FNS歌謡祭事件"が起こります。
御覧になった視聴者も多いと思いますが、この年のFNS歌謡祭のトリを務めた長渕剛のパフォーマンスが、観る人によっては放送事故レベルの壮絶なものだったのです(生放送の長渕剛ほど危険なものは無いな…)
長渕さんが歌番組に出演する事自体珍しいですし、当日は名曲『乾杯』を披露する予定でしたので「これを見逃してはいけない!」と僕も妻もテレビの前で長渕さんの出番を心待ちにしていたのですが、いざ始まると、そこから聴こえて来るのはほぼ原型を留めていないエクストリームな『乾杯』で(…と言うかあれはもう乾杯ではない)長渕剛というアーティストにそこそこ免疫のある僕でもあれにはかなり面食らいましたし、妻に至っては遠い目をしながら「観なきゃよかった…」と呟くほどでした。
後々知った情報ですが、最近の長渕さんはライブでも昔の曲をアレンジし捲るそうですね。
確かにあの日(FNS歌謡祭)の長渕さんのパフォーマンスには面食らってしまった僕ですが"イヤよイヤよも好きのうち"とでも言うべきか、何故かあの日をきっかけに長渕熱が再燃してしまったのもまた事実…
あのエクストリームな『乾杯』を聴いて最初は「長渕も随分とおかしな方向に行ってしまったなぁ…」と嘆いていた僕ですが、翌々思い返してみれば"我が道を行くアーティスト"という部分では今も昔も変わっていないんですよね。
そんな訳で長渕熱再燃ついでに勢い余って買ってしまいました。
FNS歌謡祭で強烈なインパクトを残した長渕剛さんが2017年に発表した最新フルアルバム『BLACK TRAIN』です。
あのエクストリームな『乾杯』を観てからのこのアルバムでしたので、正直なところ購入するのはかなり勇気がいりましたが、いざ買って聴いてみると、FNSで披露したようなエクストリームな曲は特に無く、意外と聴き易いまともな作品に仕上がっていたのでホッと胸を撫で下ろした次第です。
今回はアルバムの中でも特に気に入った曲をピックアップして行こうと思いますよ。
まずは何と言ってもアルバムの冒頭を飾る表題曲『BLACK TRAIN』ですね。
"政治家が労働者から巻き上げた巨額の金を運ぶ真っ黒な列車(ブラック・トレイン)を主人公が襲撃し、現金強奪を図る"というストーリー仕立ての歌詞で、最後は巨悪(政治家)から奪った金を全て燃やしてしまいます。
この長渕イズム全開の歌詞からも分かるように、やはり長渕剛という人間は今も昔も変わらずお金が大好きな権力者が大嫌いであり、そしていつだって弱者の見方なのです。
ところでこの曲は反骨精神溢れるシリアスな歌詞とは裏腹に「ウィウィウィ…」や「アオアオアオ…」など、笑わずにはいられない(勿論長渕さん本人は大真面目なのでしょうけど…)個性的?な掛け声や効果音が登場します。
個人的には「紫に腫れ上がったパンパーン」という歌詞が面白かったです。
「パンパーン」って何?
続いてはエレクトロ風の今時ロックなイントロで幕を開ける3曲目、恐らくアルバム曲中で最も長渕剛らしくない派手目なロックナンバー『LOSER』の紹介です。
僕は久し振りに長渕さんの音楽をまともに聴くので、この曲にも意外性を感じてしまいましたが、多分最近の長渕さんはこういう今風なロックにも手を出しているのでしょうね。
それにイントロこそ意外性を感じましたが、いざ歌い出すと「やっぱり長渕だなぁ…」と思いましたし、長渕さんの力強い歌声は『LOSER』のようなパワーロックにも意外と合いますね。
ライブでやったら盛り上がりそうな曲ですし、サビの部分なんかは思わず拳を突き上げたくなるような格好良さです。
まぁ、負け犬の歌なんですけどね(笑)
そして最後にアルバム4曲目に収録されている『かあちゃんの歌』という曲なのですが、長渕さん自身、余程母親に対する強い思い入れがあるのか、過去にも度々このような母親絡みの曲を作っていますし、この曲もアコースティックな作りの小品的楽曲ながら、歌詞だけなら恐らくアルバム曲中最も心に沁みる1曲に仕上がっているのではないでしょうか。
かあちゃんが死んで男泣きしたビートたけし然り、いつまでも結婚しないで「かあちゃんかあちゃん」言ってた志村けん然り、どんな大物(長渕含む)だろうが男なんて結局みんなマザコンなのよ。
今回は上記の3曲をピックアップしましたが、他にも『嘆きのコーヒーサイフォン』のような長渕流ラップ?曲などもあったりと、なかなか内容の濃い作品に仕上がっているのですが、アルバム終盤はスローテンポな曲中心なので、最後にもう1曲くらいパンチの効いた曲が欲しかったですね。
個人的にはアルバム最終曲に乾杯(FNSバージョン)が収録されていたら言う事無かったんですけどね(笑)
ところで長渕絡みのタイムリーな出来事と言えば、先週の『嵐にしやがれ』のゲストに長渕さんが出ていましたね。
普段はジャニーズの番組なんか観ない僕ですが、長渕回は勿論観ましたよ。
何だかんだ理由を付けてハーレーに乗りたがらない長渕さんがお茶目で可愛かったです(笑)
