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手垢のついた表現になるが、泣いても笑ってもあと1試合である。ロンドン・オリンピックの決勝戦で、なでしこジャパンは初の金メダルを目指してアメリカと対戦する。奇しくも、昨年の女子ワールドカップの決勝戦を再現するカードとなったが、両チームの勝ち上がり方は対照的だった。
アメリカは、フランス相手に2点のビハインドを負いながらも逆転勝利をつかんだ初戦や、カナダに3度のリードを奪われながらも延長戦の末に4-3で競り勝った準決勝のように、逆境でも圧倒的な底力を武器に活路を切り開いてきた。一方、なでしこは準々決勝のブラジル戦、準決勝のフランス戦のように劣勢に立たされながらも耐え忍びながら逃げ切り、決勝の舞台まで辿り着いている。
ここまでの戦いぶりとオリンピック連覇の実績を考慮すれば、地力ではアメリカが一枚上手ということは揺るがないだろう。なでしこが今大会でビハインドの状況を経験していないことからも、早い時間帯で先制点を許すようだと、6月に行われたスウェーデン招待で1-4で敗れた試合のように、大差がつく可能性もある。
ただ、なでしこは今大会や昨年の女子ワールドカップで、守勢に回りながら最終的に勝利をつかみ取ってきたのも事実である。フランス戦後に岩清水梓が、「耐え忍ぶのも、なでしこらしさ」と語ったように、粘り強い守備は健在で、ブラジル戦でのカウンターやフランス戦で2得点に繋がったセットプレーと、攻め込まれながらも決定打を放てる武器を有していることは、アメリカに対しても大きな脅威になるはずだ。
そして、頼もしい主将もいる。
今年から主将に就任した宮間あやは、前述したセットプレーのキッカーやパスサッカーの中心として、なでしこの生命線と言える選手である。主将として臨んだ今大会では選手や監督が証言するように、試合前の言動で仲間を鼓舞してきた。また、プレーの面では正確なキックに目を奪われがちだが、ブラジル戦やフランス戦でチームがゴール前に釘付けにされた際には、幾度となくスライディングタックルを敢行するプレーが見られた。苦境に陥ったとき、小さな体を何度となく投げ出して相手の攻撃を食い止めようとする姿は、後ろで構える守備陣にも大きな勇気を与えたに違いない。
らしくないミスが目立ったことで不調も囁かれた今大会だが、彼女の働きが初の決勝進出に押し上げたといっても決して言い過ぎではないはずだ。劣勢が予想されるアメリカ戦でも、チームに安心感を与える大きな存在がいる限り、大きな破綻が訪れることは考えにくい。
悲願となっていたメダルは既に手中にある。ワールドカップからオリンピックを連覇した前例はいまだかつてない。前人未到の挑戦に、悲壮な思いは似合わないだろう。多くの期待や重責に応えてきたなでしこたちには、喜びとともに史上初の偉業達成に挑めることを願うばかりである。
文=小谷絋友(サッカーキング編集部)
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