これを見ているのは独り淋しいオッサンばかりと思いきや、何気に女性ファンもいたりするんですよね。

 

ちなみに自分の場合、今は割と「朝食会」という形式をとっておりますが、基本的にホテルの朝食巡りは「一人飯」です。

 

 

既にご存知の方も多いと思いますが...

 

 

この作品に出てくる「グルメ」は一般的なグルメ。即ち「高級レストラン」「TVや雑誌で話題の人気店」といった、世間一般に言われている「名店」ではありません。

 

本当にその辺にあるような大衆食堂とか。

 

 

今時ホームページすらないような...

 

 

それでも何とかやっていけてしまう(というより、実はやっていけてなさそうな)そんな場所がメインです。

 

 

では、そういった飲食店の味は良さって何か?

 

逆にそのような良さがあるにもかかわらず、なかなか話題にならない。

 

あるいはマスコミ等で話題になるような「名店」との違いは一体何なのか?

 

 

それっておそらく、

 

変わらない味

 

 

これではないでしょうか?

 

 

味そのものは確かに「平凡」かもしれない。

 

しかし最大の特徴は何といっても、

 

変わらない。

 

 

これまで訪れたホテルの朝食の多くはビュッフェ形式なのですが、

 

同じ場所に何度訪れたとして、

 

微妙に変わる。

 

 

全く同じということは基本的にありません。

 

とりわけ最近ですと訪日外国人客のニーズというのもあって、かなりメニューの内容が変わったりしているケースも少なからず存在したりします。

 

 

そんな状況と比較して、というのがいいか悪いかは別として、とにかく、

 

 

変わらない。

 

 

以前、朝食会の参加者の方から伺った話なのですが....

 

「これはいいお店だな、と思ったお店がしばらくするとマスコミに取り上げられる。すると客が殺到する。そしてその急に増えた客に対応するために「(料理が)やっつけ仕事」になってしまう。あるいは急遽雇ったバイトの対応が悪く、お店のマイナスイメージが拡散されてしまう

 

そしてその結果、振り返れば気付けば閉店の憂き目に遭ってしまう...

 

そんな「流行ってた」飲食店が決して珍しくない。

 

 

つまりメディアに露出した結果は伝説の序章に過ぎなかった

 

 

のではなくて実は終わりの始まりだった。

 

...何だか笑うに笑えない話ですよね。

 

 

そんな状況の中、

 

 

いつまでも変わらない味を提供し続ける

 

 

流行ってるとか流行ってないとか、そういう問題ではないです。

 

 

実は地味にスゴい。

 

 

一見すると何の特徴もない。もっといってしまえば「寂れた」定食屋。

 

しかしもしかしたら、

 

バブルの絶頂期も不況のどん底の時も同じ味。

 

やっぱり地味にスゴいですよね。

 

 

究極の味を求めて。

 

それも一つのグルメかもしれません。というより、これがグルメの王道ですよね。

 

 

しかし、

 

変わらない味を求めて。

 

王道ではないかもしれません。

 

何と言いますか、路地裏の美学みたいなもんでしょうか。

 

 

銀座や有楽町の駅の近くに古い喫茶店があります。

 

創業はおそらく昭和の中頃でしょうか。あるいはもっと古いかもしれない。

 

きっと当時は時代の先端を行っていたのかもしれない。そんな場所で提供されているコーヒーやサンドイッチの味は、おそらく創業当時とほとんど変わっていない。

 

 

単純に味だけを追求するとしたら、おそらくもっといい店は存在しているかもしれません。

 

 

でもそういった場所の魅力って単純な味の良さではないですよね。

 

 

変わらない事

 

それが一つの魅力ではないでしょうか?

 

神田の古本屋で、ふと古い喫茶店の写真に目を留める。

 

高度経済成長期の「憧れの東京のシンボル」みたいな感じ。そんなのに載っている写真そのままの光景みたいな場所です。

 

 

それも一つの楽しみ方ではないでしょうか。

 

日常の美

 

もしかしたらそういう表現がふさわしいのかもしれません。