鹿児島から福岡への旅 最終回 (奇跡(?)の「SL人吉」乗車記) | 出張ホテル 西日本丸かじり

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西日本への出張に行かれる皆様へ、1カ月の半分近くをこの地域への宿泊出張に出向いています私が、皆様の出張先のホテル選びのお手伝いをすべく、体を張ってホテルのレポートを書いていきます(笑)。おススメ、知りたいホテルがありましたら紹介して下さい!!

おはようございます。ビジネスホテルミシュラン丸山です。

今日も鹿児島から福岡への旅の記事となります。その前に、前回の記事もあわせてどうぞ!!

・第1回 特急「はやとの風」号乗車記 その1はこちら
・第2回 特急「はやとの風」号乗車記 その2はこちら
・第3回 「いさぶろう・しんぺい」号乗車記はこちら

今回の鹿児島から福岡への旅のクライマックスとして、この列車を紹介します。
それは、既にタイトルに書いてますが・・・


「SL人吉」です。
※人吉駅にて撮影

見ての通り、蒸気機関車が客車を牽引する列車です。

まず、この列車に乗れた経緯からご紹介を。

この列車、人吉駅に着くまで運転している日だとは全く知りませんでした。「はやとの風」から「いざぶろう・しんぺい」に乗り人吉まで来ると、通常は特急列車(「九州横断特急」号)か、その後の普通列車に乗って熊本方面に向かうのが通常パターンです。今回は普通列車で八代まで出て、八代から博多方面の普通に乗り換えて博多を目指すつもりでした。

次の普通列車まで1時間近くの待ち時間あったため一旦外に出ようと改札を通った時、駅の案内板に・・・

「SL人吉 熊本 14:38発」

の表示が目に飛び込んできました。「あれっ?このパターンで来ると、ちょうど乗れるんだ」と思ったため、ダメもとで窓口に行き「この列車の指定席、空きあります?」と聞くと・・・

「ちょうど1席、キャンセルが出たみたいで空きありますね。合席になりますけど、いいですか?」との回答。

当然、答えは「はい」でした。

SLの列車には以前から乗りたいと思っていました。が、なかなか実現出来ずにいました。まさか、この旅行中でこんな機会が巡ってくるとは思っていませんでした。

そんなこんなで、「はやとの風」といい、「いさぶろう・しんぺい」といい、今回は指定席が取れる「奇跡」が続きましたが、最後の最後で、とても大きな「奇跡」を掴むことができました。というのも、この「SL人吉」は全席指定のため、指定席券の無い人は乗車出来ません。前の2つは指定席が無くても乗れますが、これはそうはいかない列車です。なので、何度も書きますが、今回は本当に「奇跡」が舞い降りてきてくれました(笑)。

指定席券を買った後は、もうホームに入線してくるのを心待ちにしていました。
14時20分ごろ、客車と共に入線してきました。列車は3両編成で、前後の車両はこんな感じです↓



こちらが一番後ろ側の車両です。車両の約3分の1が展望用のフリースペースになっています。車内は「いさぶろう・しんぺい」号のように、向かい合わせの座席になっていますが、シートが張りかえられていて、やや厚みのあるシートで座り心地が良くなっています。

外から見ますと、こんな感じです。展望室の椅子が見えていますが、木で出来た、ぬくもりのある感じです。

中には肥薩線にゆかりのあるSLの模型が展示してあり、ちょっとした歴史のお勉強も出来ます(笑)。

一番先頭はこんな感じです。

列車は14時38分、定刻に人吉を出発。この列車も停車駅で少し長めの時間を取るため、駅舎の見学や地元の人が販売するお菓子などを購入することが出来ます。

こちらの途中下車の写真も撮りたかったのですが、今回は隣の人が寝ていたため、外に出ることが厳しい状況となってしまいました・・・。
(ということで、途中駅の案内は省略です・・・)

また列車の2両目には販売スペースがあり、地元の焼酎や乗車記念のグッズなどを販売しています。
SL人吉は人吉を出ると、急流下りで有名な球磨川沿いを走っていきます。前の区間のような急勾配はありませんが、山と山に囲まれた谷あいを進むため、前のように開けた景色はありませんでした。

そして、SL列車ならではといえば・・・

そうです、です。

車両は冷暖房完備のため窓を開ける必要は無いようにしてありますが、それでも車両と車両の間や、窓枠の隙間から「すす」が入ってきます。とはいっても、昔の人達が体験したような「真っ黒け」にはならないですが、白い服などは付いたときに目立つ可能性がありますので注意が必要です。

先ほど少し触れましたが、この列車の客車は「窓全開」が可能です。車内でもアナウンスが流れますが、煙と煤が入ってしまうため、基本的に走行中の窓空けは禁止、といいますか厳禁です。窓が開けられるのは、停車中と、周りが開けている八代から熊本を走行している間くらいです。(ただし、これも周りのお客さんに迷惑となるので、原則やめましょう)

またこの列車では「手をふレール」というイベントを行っています。このSLの運行に際して、沿線の皆様が多大な協力をしてくれています。沿線が自然豊かとはいえ、SLはいわば「過去の乗り物」です。吐き出す煙や煤が沿線の田畑や人家に及ぼす影響を考えたら、住民が簡単に「いいですよ」とは言えない筈です。そんなSLを温かく迎えてくれた沿線の人達との触れ合いを、JR九州としても大切にしたいという思いと感謝を込めて、乗客の人にSLを見物に来てくれている人に向かって手を振り、楽しんで貰おう、というイベントを企画しました。自分は窓側の席だったので、出来るだけ手を振って楽しみました。

さらにお子さん向けに、JR九州の制服を用意して、展望スペースで記念撮影をしてくれます。これはお子さんには良い思い出になるはずです。

色々なイベントをしながら、列車は新幹線の乗換駅の新八代駅に到着。ここで大半の方が降ります。

が、この列車はここで降りてはいけません!!

実は自分も八代で降りようかと思いましたが、「どーせなら・・・」と、終着駅熊本までこの列車で向かうことにしました。
そして熊本駅到着直前、アテンダントの方から、「最後にサプライズがあります」とのアナウンスとともに・・・



阿蘇方面からやってきた、「あそぼーい」と併走して、一緒に熊本に到着するのでありました。

「あそぼーい」のお客さんも、「つぎはあそぼーいにのってね」と書かれた文字を窓に出して、終着駅までのひと時を楽しんでました。
熊本駅には17時13分、定刻に到着しました。人吉から2時間40分あまりの乗車でした。

最後にご案内を。「SL人吉」は主に土日と、GWや夏休みなどの長期休暇がある時期の季節運転となります。乗車されたい方は運行日を必ず確認して下さい。また先ほども書きましたが、全席指定列車のため、指定席券が無いと乗車出来ません。また前回の記事で案内しましたが、JR九州が販売しています企画きっぷを利用すると、今回自分が乗車したルートは割安かつスムーズに移動可能です。(SL人吉の詳細は
こちらからどうぞ)

個人的にも、多くの人達に、ぜひJR九州のこれらの列車に乗車して、スローな列車の旅を満喫して欲しく、今回の記事を締めさせて頂きます。

それでは。