伝説の2年、仲間たちとの再会|ママたちはエルメスを隠せない 第904話
激動の選手権を終えた氷川瑞希は、
一時帰国中の親友・莉音と恋人・圭太、
そして連覇の立役者となった雅人の
待つ安らぎの場所へと向かう。
久しぶりに揃った4人の時間は、
かつての戦友としての絆を呼び覚ます。
そんな中、瑞希は自身に課せられた
「高校卒業までの続投」と
「応援マネージャー制度の廃止」という
驚愕の未来を告白。
一人の少女が背負う伝説の重みと、
それぞれの道へ進む仲間たちの決意が交錯する。
前話はコチラ
安らぎの聖域、母のような温もり
莉音の家に着くと、
そこにはクリスマス前以来の再会となる
莉音が待っていた。留学先から一時帰国中の
莉音には学校がなく、
家で瑞希を心待ちにしていたのだ。
莉音と圭太の母、貴子も
「本当にお疲れ様。大変だったわね」と、
瑞希をまるで本当の娘を迎えるように、
温かく優しく迎え入れてくれた。
その言葉だけで、瑞希の心の中にあった
「仕事の緊張」が、
ふっと霧のように消えていく。
「瑞希!昨日のさ、凄いよ反響が!
けど、雅人たちもホントによく頑張ったよね。
優勝してなかったらあの状況は
なかったわけだし、やっぱ瑞希が
『持ってる』んだね」
莉音が興奮気味にそう言うと、
瑞希はリビングのソファに
深く腰掛けながら、
力なく苦笑いを浮かべた。
「中島監督には参ったよ……。
あんなの、もうダメだよ。
我慢なんて無理」
国立のあの光景を思い出し、
瑞希は少しだけ目元を緩ませる。
あの瞬間、彼女は「分析官」ではなく、
ただの「マネージャー」に戻っていた。
その素顔を知る莉音の前だからこそ、
ようやく吐き出せる本音だった。
運命の四人、一年越しの集結
そこへ、優勝を決めたばかりの
青和学院キャプテン、雅人も合流した。
「なんだか、この4人で集まるの、
一年以上ぶりだな」
圭太がしみじみと呟いた。
最後にこの4人で集まったのは、
圭太の家だった。莉音が突然の留学宣言をし、
雅人も彼女を追って
ロスへ行くことを決めた……
あの日以来。
雅人は、宣言通り卒業後にロスへ留学する。
それぞれの場所で戦い抜き、
成長した彼らが、
再び一つのリビングに集まっている。
それは奇跡のような、
必然のような、不思議な時間だった。
ふと、瑞希は背筋を伸ばし、
大切な仲間たちに真剣な面持ちで切り出した。
「あのさ、これ……
多分、明日にはニュースに
出ちゃうから先に言うけど。
私、あと2年、高校卒業まで
応援マネージャーやることになったから」
制度の終焉、唯一無二の伝説へ
瑞希の言葉に、その場に一瞬、静寂が訪れた。
直後、莉音が目を輝かせて身を乗り出した。
「まぁ、瑞希が凄すぎたってことだよね。
もはや一種の社会現象だし、
瑞希以外のマネージャーなんて
今の日本中が認めないでしょ!」
莉音の感心したような言葉に、
雅人も深く頷きながら、
一人のプレーヤーとしての実感を口にした。
「そんなこと、あんのかよ!
でも……そうだよな。
埼玉国際の村田たちとかさ、
他の学校のやつらと話してても、
みんな瑞希にめちゃくちゃ親近感持ってたしな。
敵なのに味方みたいな、
不思議な信頼感っていうか……。
……でも、瑞希の後はどうするんだ?
来年、再来年と瑞希が
ハードルを上げ続けたら、
次の子が可哀想すぎるだろ」
瑞希は少し複雑な、
でもどこか晴れやかな顔で答えた。
「私で、終わりにするんだって。
応援マネージャーっていう制度自体」
「マジかよ……!」
圭太が息を呑んだ。
「伝説にして終わりか……。
まさに氷川瑞希のための
2年間になるんだな」
制度そのものを終わらせる。
その決断の重みは、
瑞希のこれまでの働きが、
数十年続いた伝統や常識を
すべて凌駕してしまったことを物語っていた。
冬の夜、かつて同じチームの
仲間として支え合い、
そして今はそれぞれの
道を歩み始めた4人の間に、
誇らしさと、未来への高揚感が
混ざり合った特別な空気が流れていた。
ーつづくー
*このお話はフィクションを含みます。
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【あとがき:第904話を振り返って】
今回は、物語の核となる4人の再会を描きました。
瑞希、莉音、圭太、雅人。
それぞれが大きな決断を下し、
成長した姿で集まるシーンは
感慨深いものがありますね。
特に、雅人が口にした
「敵なのに味方のような信頼感」という言葉。
これは、瑞希が全選手に対して真摯に、
そして公平に向き合ってきたことへの
最大級の賛辞です。
制度を終わらせるという「伝説」の
重みを共有した4人。彼らの絆は、
ここからまた新しい形へと進化していきます!
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