こんにちは。
ホテル・マキシモです。
日本で、友情の証?として飲みかわす特別な飲み物って
なんでしょうね…?
イタリアには“友情の杯”と呼ばれる飲み物があるんです。
なんだか、友情の杯って、男塾的な熱いもの
、
もしくは“強敵”と書いて「とも(友)」と読む的な世界(北斗
!)を
感じさせる響きですよね!!!!
……
……
………。
…多分、ここマキシモでそう響いてるのはわたくしだけで、
その飲み物は、イタリア語で
コッパデッラミチッツィア(La coppa dell'amicizia)
北イタリア、アルプス
を擁するヴァッレ・ダオスタ(Valle d'Aosta)
の名物です。
男塾どころか、むしろ、チロリアンな雰囲気です。
冬の時期、クリスマスや年末年始など、
人の集まる時によく飲まれるようで、
例年、クリスマスの朝の情報番組では、本場ヴァッレ・ダオスタからの
中継で、この飲み物が紹介されています。
とにかくこの杯で大事なことは、レシピももちろんですが、
下の写真の真ん中にある木製の器、
グロッラ(Grolla)を使うこと!
玉ねぎの形に似ていますが、これはフィノッキオ
(フェンネル・西洋ウイキョウ)を模したものです。
この上部についたそれぞれの口からその飲み物を
回し飲み、すべて飲み終わるまで器を置いてはいけない!
…というしきたりがあります。
まずはその飲み物作り方。
レシピは色々あるのですが、代表的な作り方をご紹介しますね。
まずは小鍋にレモンとオレンジの皮、ジェニパー6粒(ホールのもの)、
りんご半分をいちょう切りにしたものとグラッパ(ぶどうの蒸留酒。
ワインの搾りかすのお酒です)ショットグラス6杯分を入れ、
火にかけ、グラッパに具材の香りを移します。
グラッパはあっという間に蒸発してしまいますから、
煮立たせないようにご注意くださいね!!
シナモンや、クローブも入れるレシピも個人的には好き![]()
なんですが今回は見送り
。
グラッパに具材の香りが移ったら、グラッパだけを濾しとり、
グロッラに注ぎます。具材とはここでお別れですよ!
(グラッパで軽~く煮込まれたリンゴ
そのまま捨てるのは惜しくて
ついつまみ食いしてしまいますが…酔います。)
そこにエスプレッソコーヒーを6杯加えます。
ここで使うエスプレッソは写真にあるようなガスコンロにかける
カッフェッティエラ(マッキネッタとも呼ばれるエスプレッソマシン)で
作ったものをおすすめします。
最後に砂糖200gを混ぜて、器の口に砂糖をまぶし、
ライターの火をかざしグラッパのアルコールに火をつけ、
アルコール分を飛ばします。器の口の砂糖が溶けてカラメル状に
なれば完璧!
ならなくても「気にすんな
」的なおおらかさで!
グラッパのアルコールが燃える炎はきれいなブルーです。
蓋をしたら、さあ、回し飲み開始!
※砂糖の量が200gってちょっとびっくりしますよね。
量はお好みでいいと思いますが、かなり甘くして飲むのが正式です。
ホテル・マキシモでは、クリスマス三が日
の最終日、
26日のサント・ステファノ(聖ステファノの日)の夜に、
クリスマスの締めとしてこれを飲みました。
グラッパの仕込みはわたくしが、コーヒーの準備と砂糖の加減
はニコロが担当です。そして出来上がったものを…
「ぬはっ、コーヒーの味しかしないよっ」(x_x;)
(ほんとか?)
…というので、香りづけグラッパを追加で準備。
実は、ニコロと示し合い、通常よりも小さいショットグラスで
計量していたのです。
レシピには当然ながらちゃんと根拠があるんですよね![]()
そして、ちょうど出勤してきた夜勤のミケーレ(Michele)
も、この友情の杯に加わりました。
「…うーん。」(ノーコメント)
女の子だって回し飲みに加わりますよ。
北イタリア、トリノ出身の
アレッサンドラ(Alessandra)も
この友情の杯は初体験だったようです。
そして、この日のスペシャルゲストはこの方![]()
私たちもこれを作って飲むのは実に2年ぶり
なのですが、実は前回、友情の杯をした時も、彼が来ていたんです!
何という偶然?!
(ホテル・マキシモの開業前なので、支配人の自宅で飲みました)
これが2年前の彼!証拠写真です。
2年前、高校生か?とも思えるほどの幼さ(ゴメン!)の残る
面差しだった彼と、今年ホテル・マキシモの開業後に再会したときは、
なんだかすごく大人になっていて見違えてしまいました。
(親戚の子供を見るような感覚ですかね…)
シャイな子なんだな…という印象をこの写真の時に受けたのですが、
全くそんなことはなく、ユーモアのセンスも抜群で、
マキシモのバールやリストランテに来てくれるときは
いつも私たちスタッフを和ませてくれます。
話すときの声なども軽~くハスキーがかっていて素敵ですよ![]()
今年は彼女と日本
へ観光旅行をする予定だそうです。
さて、肝心の?友情の杯の効果![]()
ですが、
うーん、いきなり友情が深まるというよりは、
確かに、おかしな連帯感
は生まれますよね。
グラッパのアルコールをあまり飛ばさないで作ると、
本当に食道をカーッとグラッパが通り過ぎていくのを感じるほど。
何か、特別なことをしているような気になる神妙な雰囲気と、
その後にくる変な笑い…。
みなさまには、冬に限らず夏でもご要望がありましたら
ご用意いたします![]()
アルプスまでは行けないけど、せっかくイタリアまできたんだから
友情の杯、味見してみたいなという方はご宿泊の際にお知らせください!
おかしな連帯感、感じてみませんか。
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(日本語でどうぞ!)







