こんにちは。
ホテル・マキシモです。
よく、社交のルールとして、特に初対面の場合、
「政治と宗教(と野球!)の話はするな」と言いますが、
イタリア
では、どんな話題から入っても、最終的には
政治の話になってしまう…と言っても過言ではありません。
そして、カトリックの国だけに、ローマ法王の動向や、
毎週のミサの様子も報道され、宗教が当然のように
生活の中にあるので、話題に上るのも自然です。
他の宗教に対して多少排他的なところがあるのは、
単に「よく知らない」ところからくるものだと思います。
ローマ帝国時代はその逆で、
日本の神道の八百万の神々の如く、さまざまな
神様や女神様を祀る神殿
が沢山あり、
お宮参りや七五三は神社で、結婚式は教会で、
お葬式はお寺で…という日本人がいると、
「古代ローマ人みたいだね!」と思うそうですよ。
さて、
カトリックと言えば、
昨年、ローマ法王ベネディクト十六世が辞任し、
新たに選出されたフランチェスコ法王ですが、
バチカン市国(ヴァティカーノ)を抱えるここローマにいると
その人気ぶり
を本当に実感します。
支配人のピア
によると、
「就任したその瞬間にイタリア人の心の中に
すぐに入ってきたのよ」とのこと。
「なんといっても、第一声が
“Buona sera”
(ブォナセーラ=こんばんわ)よ!
もー、あれでイタリア人はみんなメロメロ
になったわね」
おそらく、イタリア人特有の「大げさな話」ではなくて、
新法王のユーモアのある親しみやすい性格や
常に民衆の中にありたいという
姿勢などが感じられるからだと思います。
日曜日のサンピエトロ広場で行われるミサでのメッセージの
「それではみなさん、Buon pranzo!(よい昼食を)」
というフレーズを聞くためだけに、ミサのテレビ中継を見る!
という友人もいます!
((;^^) 理由はどうあれ…っていうことにしときます。)
そんなわたくしの友人たちの中にも
「見ててごらん。
今度のパーパ(法王)はきっと何かやってくれるよ。」
と、期待を口にする者が少なくありません。
高齢にもかかわらず、ものすごい行動力を
見せているのもその理由だと思います。
イタリアの新聞、メッサッジェーロ紙によると、
“フランチェスコ法王は
Facebook上でもスーパースター”
だそうで、世界中のFacebook上で語られている話題の
第1位は“フランチェスコ法王”ということです。
(2位は選挙、3位はイギリスのロイヤル・ベビー)
ちなみにイタリア国内ランキングでは9位です。
実際、ホテルなど、観光業界では
「今度の法王は人を呼ぶ!」と
言われているくらい、世界中のカトリック信者が
ローマそしてヴァティカーノを今まで以上に訪れているそうです。
イタリア国内からはもちろん、
ラテンアメリカから初の法王が誕生したことで、
特に、「新法王を一目この目で…」という
ラテンアメリカ諸国の方が沢山いらっしゃっています。
日曜日のサンピエトロ広場のミサだけでなく、
特に水曜日はウディエンツァ(公聴会)があるので
この日に向けていらっしゃる方も多いなあ、というのが、
ホテル勤務のわたくしの実感です。
もちろん、ウディエンツァは要予約手続き、
ふらりと言ってお目にかかれるわけではありませんので
ご注意を。
先週、そのウディエンツァが目的で、
ホテル・マキシモの夜の門番、
Michele(ミケーレ)
の、おばあちゃまもシチリア島からやってきました。
地元の教会と老人会がオーガナイズしたツアーだそうで、
もう島からでるのもおっくうだろうな、というご高齢
にもかかわらず、ローマまで行ってみよう!と
思わせるフランチェスコ法王の魅力を感じずにはいられません。
もちろん、ローマで頑張っているかわいい孫に合うのも
大きな目的でしょう。
そして、その日の夜、レストランもクローズし、
厨房を掃除しているわたくしのもとへ、
出勤してきたミケーレがお菓子の包み
を持って
ウキウキ
しながら飛び込んできました。
きれいに磨いた調理台の上でその包みを広げると、
あらわれたのは、沢山のチョコレート!!!!
(日本ではトリュフと呼ばれるようなアレです)
柔らかいチョコレートの中に
細かく刻んだアーモンドが入っています。
常々、ミケーレから
「うちのノンナ(おばあちゃん)は料理上手なんだ!」
と聞かされていましたが、ミケーレ曰く、
「このチョコレート菓子が、ノンナの料理の中で
一番好きなんだよね
![]()
」
とのこと。
「みんな!食べてみて!すっごくおいしいから!」
と、ミケーレも誇らしげ
。
なんだか、その様子に感動してしまいました。
ミケーレのおばあちゃまは、ローマにいるミケーレの為に
彼が一番大好きなお菓子を作って持ってきたのです。
それも、100個を超える数。
おばあちゃまが、出発の前日に、
一つ一つ作っている様子を想像すると
なんだかじーんとしてしまいます。
そして、さらに、この包装の様子から、
この大きくてかさばる包みが縦にならないよう、
おうちを出るときから、飛行機に乗るときも、
観光バスに乗るときも、
水平を保ってここまで運んできたことを思うと…。
(お弁当を会社に持っていくときより大変です!)
素敵な家族愛を垣間見て、そのおすそ分けを
もらったような気分になりました。
ありがとね、ミケーレ!
だから、許す!
たった今、
丹精込めて鏡のように
ピッカピカに磨いたばかりの
調理台の上を
粉砂糖まみれにして、
そのままウキウキと
去って行った君を!!!
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