隣国の台湾で学生が立法院(日本で言う国会)を占拠している事態が起きています。
日本の報道では、
1.学生が台湾政府と中国政府が締結したサービス貿易協定に反対している。それは、台湾にとって不利な協定だから。
2.一方で、台湾政府は協定は有効であり、台湾にとって経済的利点のある協定である。
3.両者の主張が相容れず、立法院占拠が長期化の様相を呈している。
との報道が多く見られますが、
…この報道だけみると、学生のわがままにしか捉えられません。
協定に反対!という理由だけで、なぜ台湾の学生が史上初めて国会占拠という行動を起こすことになったのでしょうか。
協定内容の問題もあるかもしれませんが、最も注目すべきは、協定が締結されたプロセスであるということを日本のメディアは報道しなければなりません。
民主主義国家では、行政の取り決めは国民の代表である国会で議論された上で成立・有効になるものであるにもかかわらず、本協定はプロセスが逆になっているのです。
つまり、
行政が先に協定を締結し、その後に国会に対して承認を求めたというプロセスになっているのです(しかも審議打ち切りで強行採決)。
台湾の人たちが立ち上がっているのは、今回の協定締結のプロセスにおいて、台湾で醸成されてきた民主主義が軽視され、かつ今回の協定内容に中国からの移民・永住を受入れやすくなる内容が盛り込まれ(←経済協定にそもそも必要でしょうか)、台湾世論がもつ現状維持(独立せず・統一せず)の考えを脅かす内容であることが、今回の行動の源流にあるのではないでしょうか。
立法院の占拠が正しいかと言われたらそれはNoです。ただ、この行動を起こさないと民主主義を軽視する政府にどう主張を聞いてもらえるか。行動を起こした側も苦渋の選択だったに違いありません。
政府は協定締結のプロセスを明確にし、学生側と対話すべきです。プロセスに恥がなければ対話を恐れることはありません。
隣国で起きている事態を私達日本人もよく理解し、民主主義が脅かされるこの状況に対して情報を発信し、問題提起の声を上げていくことが必要なのではないでしょうか。
