パリのアートと食は飽きることがないが、
ただ散策する、というのも楽しい街だ。
(写真はノートルダム大聖堂)
短い旅行期間だと、ついスケジュールを
ぎっちり入れてしまいがちだが、
今回は、時間を決めて訪れる所は
1日1ヶ所だけにして、
あとは自由気ままにした。
好きな時にカフェで休憩し、
好きな時に気が赴く所へ行ってみる。
そういうのはなかなか楽しいし
贅沢な時間だ。
今回は1人で動けるので、
家族全員で行くホリデーとは違う
自由さを満喫したかった。
さて、私が着いた次の日に
ルーブル美術館がストライキ、という。
予告もなしに急に、というのは
ストライキの多いフランスでも
珍しい。
(写真はルーブル美術館)
オーバーツーリズム、という言葉が
ここ数年ヨーロッパの人気都市で
よく言われている。
とにかく観光客が多すぎる、とか、
ホテルや民泊が建物を買い占めて
地元の普通のお給料では
とてもアパートが買えない、借りられない、
という状況に
大きな不満があるようだ。
(写真はオルセー美術館)
ヴェネチアなどは随分前からそうだったと思うが、
近年はバルセロナやカナリア諸島でも
デモがあった。
中には直接観光客に帰れーというデモや、
水鉄砲で水を観光客にかけた、
というニュースもあった。
地元の人々がよほど暮らしにくくなっているのだろう。
特に大型クルーズ船での客の入れ方などに、
制限をするところも出てくるようだ。
(この噴水の向こうに見えるのは浮いている風船で
気球のように下から時間になると炎が出て浮き上がる。
オリンピックで使われていたものを夏の間
マクロンが維持すると、言ったのだそうだ。
ルーブルへ続く広場入り口を
管理していたスタッフのお兄さんに訊いた。)
スペインでは何万という民泊が
取り上げられることにもなったようだ。
確かにパリの観光客量もすごいものがあった。
去年のバルセロナもだ。
だからといって、観光客に向かって直にデモをするのは
どうかと思う。
皆楽しみに来ているというのに。
(写真はデパート プランタンの最上階から)
予告なしのルーブル美術館のストも、
私は行く予定もなかったが、
遠くからルーブルを楽しみに
来ていて予約していた人達のことを思うと
とても可哀想だった。
唯一のチャンスだった人もいるだろうに。
頑張ってお金を貯めて遠くから
来た人だっていただろうに。
(デパート ラファイエットの屋上から臨む
パリ オペラ座)
皆で立ち上がって革命を成功させた
国民だけあって、
フランス人は自分達のために
立ち上がることは
躊躇わないように見える。
イギリスでも電車などのストは多いが
フランスでは教育機関含め
色々なところが頻繁にストを行う。
仕事のために身を粉にして
頑張ってしまう日本人と対極とも言える。
足して2で割ったらちょうどいいのかな、、
と思うこともある。
オーバーツーリズムと怒っている人も
おそらくホリデーで違う国や街を
訪れているはずだ。
日本も最近外国からの観光客で
溢れている。
富士山エリアや京都奈良は
特に大人気で、
やはり日本でも地元の住民には
問題でもあるようだ。
観光は大きく経済に貢献していて、
ヨーロッパの都市も
観光は大きな収入源だ。
それでもっている、という国も
あるだろう。
なので、直接観光客にあたって、
帰れーというのはナンセンスだと思う。
いい解決策は出てくるのだろうか。
今回は私も、もっとゆっくり静かに
美術館を味わいたいな、、と思ったので、
時間予約の入場制限をもう少し
厳しくしてもいいのかな、とは思った。
考えてみれば、パンデミック前は
オンライン時間予約すらなかったし、
オルセー美術館は数十年前に行った時も、
入場から並んで
入ってもやはりごった返していた。
お目当ての絵の周りは
人がいっぱいで、背の低い私は
順番を待って、押し合いへし合いのなか見る、
という感じだった。
それ以来オルセーには一度も行っていない。
いつかオフシーズンの静かな時間に
ゆっくり行ってみたい、とは思っている。
中規模の美術館で素敵なのは
ピカソ美術館、マルモッタン美術館、ロダン美術館 など。
ロダン美術館は庭にも彫刻があり、
ゆったり散歩も出来て、
私の好きな空間だ。
絶対大勢の観光客エリアに行きたくない、
という場合は、美術館に限らず、
エッフェル塔付近、そして復活して大人気の
ノートルダム大聖堂付近は避けた方がいい。
ただそれらから少し離れれば
落ち着いたカフェで座って
ゆっくり楽しむことが出来るのがパリだ。
エッフェル塔はとても大きいので
例えば近くに行かないで、
対岸からその景色を楽しむ、
セーヌ川からボートで景色を楽しむ、
という手もある。
とにかく歩くことが多くなるパリ。
他の都市より小さいので
つい目的地まで歩くことも増える。
歩きやすい靴で、休憩しながら
ゆっくり楽しむのがいい。
(犬の糞を踏まないように!)