〔深夜特急1〕 沢木耕太郎
〔深夜特急1〕
沢木耕太郎(著)
★★★★★★☆☆☆☆
(内容)
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く―。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや…。1年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ。
本文より「私は大小に心を残しながら、自分を上手になだめてマカオから去ろうとしている。
冷静に判断すれば、カジノ相手の博打に勝ち越せるわけがないといえる。
千ドルや二千ドルの金など、負けはじめればまたたくまになくなってしまうだろう。
やめて帰ろうという判断は確かに賢明だ。しかし、その賢明さにいったいどんな意味があるというのだろう。
大敗すれば金がなくなる。金がなくなれば旅はを続けられなくなる。だが、それなら旅をやめればいいのではないか?
私がのぞんだのは賢明な旅ではなかったはずだ。むしろ、中途半端な賢明さから脱して、徹底した酔狂の側に
身を委ねようとしたはずなのだ。
賢明さなど犬に食わせろ」
深夜特急2へ続く
