【2020年5月末閉店】鉄剣タロー(埼玉・行田) 昭和文化遺産級自販機でハンバーガーをいただく | ホットケーキ先生談話室(旧ホットケーキ☆純喫茶りみっくす)

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国道17号線熊谷バイパスを車で走行しているとこのような力強い看板が目に飛び込んでくる。

車で通り過ぎただけでは何の店か、いや店かどうかすら認識できないかもしれない。

しかしこの鉄剣タローこそ昭和マニアたち垂涎の超有名スポットなのである。



オートレストランとはなんぞや、という点についてはウィキペディア を参照していただくとして、

1960~70年代から使い続けている超レトロ自販機の宝庫として名高い場所なのである。


その自販機の中にハンバーガーの自販機が存在することを純喫茶バーガー調査過程で掴んだ。

製造から半世紀近く経過したバーガー自販機は全国でも数十台しか現存せず既に生産中止、

壊れたらもう直せないという崖っぷち状態であるので、いち早く行っておきたかった。



このように壁際に自販機がずらりと並び、ゲーセンとしての機能もある。

にしても照明がピンクとというのは実に怪しい。夜に行ったらどうなるのだろうか。

各照明の本数がバラバラなのは節電のため?


ただ建物の半分はもう使われておらずガランとしている。

かつてはゲーム機がずらりと並んでいたようだが、警察の指導等もあって撤去された模様。


なおこのスペースは映画撮影に使用されたとのこと。

5月公開予定がなぜか延期されて8月30日公開となっている。

映画の内容を鑑みると鉄剣タローで撮影されたことは知らない方がいいかもしれない。


そしてお目当てのハンバーガー自販機がコチラ。


70年代ぐらいは高速道路のSAとかでよく見かけたものなのかもしれないが、

80年代生まれの純喫茶にぃにとっては全く初見のものだ。

上のイメージ写真が昭和の円熟さを感じさせるテイストである。



残念ながら取り扱いはチーズバーガー1種類のみ。

コインを入れてボタンを押すと「焼き上がりまで〇秒お待ちください」の欄に数字が点灯する。

これがゼロになるとピンポ~ン♪と音が鳴って、下の取り出し口にバーガーが出るという流れ。



鮮やかな黄色の箱入りの状態で出てくるわけだが、

すぐに「調理例」と分かってしまうわざとらしさが却って良い。

極太のチーズバーガーの字体を見ているとクイズダービー(1976~92)のタイトルロゴを思い出す。



こちらが実物、まずできたて状態では熱すぎて触ることが困難であるので少々冷ます必要があろう。

バンズがしわしわなのはまあ自販機バーガーの宿命ということで。



しかし中身のハンバーグは肉厚ジューシィでなかなかうまいし、チーズの味もちゃんとする。

バンズはまあ見た目通りという感じだが、マクドのハンバーガーなんかよりよっぽどおいしいと思う。



このバーガーは群馬県伊勢崎市のメーカーが製造して卸しているという。
自動販売機用だから極めて販路が限られてしまうだろうし、儲けがあがっているのだろうか。

自販機が壊れる以外にも製造中止というリスクも十分に考慮しなければならない。


というわけでこの箱は首都圏ではここでしか入手できない貴重品であるので、

箱だけ持ち帰って大切に保管することにした。



他にも文化遺産的自販機としてはトーストサンド自販機がある。

なぜかこれだけ「トーストサンド販売中」とポップな掲示がなされている。


ハムチーズトースト1種類だけだが、残念ながらこの時は売り切れであった。

しかし別の場所で自販機トーストを食べることができたので、それは後日紹介する。



これはハンバーガーやトーストに比べるとまだ台数は多い模様、うどんそば自販機。

ここでは300円の天ぷらうどんのみの販売となっていた。


こちらもあと〇秒のカウントダウン表示がなされ、ゼロになると右下の取り出し口から

うどんが容器入り(テープで七味が貼り付けておる)がにゅっと出てくる。

この出方が妙にリアルで、人が中に入っているんじゃないかと思ったほど。



器を覆うようにかき揚げがたっぷり、具も海老がたっぷり含まれていてこれで300円なら安い。

つゆがややぬるめだったのは自販機うどんの限界か。冬はあまりうれしくないかもしれない。



かつてクレーンゲームが置いてあった筐体?には植物の種無料配布中。

訪問客の書き込みノートみたいなものが設置されていて、

この種から育てた植物の成長報告を書いている人もいた。


ちなみにこの隣に現役稼働中のクレーンゲームがあったが、

景品が何のぬいぐるみなのか全くわからなかった。何年も置きっぱなしなのだろうか。

さっきのハンバーガーの箱に描かれたネコに似ているという説もある。



 

ゲーム機はその辺のゲーセンでも見かけそうなものだったが、これだけ明らかに浮いていた。

反射神経を測るゲームのようだ。あまりに浮きすぎてプラグをさす勇気はなかった。


 

今はゲームと自販機しかないが、

かつてはカラオケボックスホビー系のショップ「鉄剣JIRO」まであったらしい。


鉄剣JIROでコスプレしてカラオケやゲームを楽しみ、そして食事は自販機という流れで遊べる

煌びやかなナイトスポットだったのではないかと推測できる。



かなり古い建物でかつゲーセンでもあるので、やや退廃的世紀末的な雰囲気を強く感じつつ、

一方ではゲーム機の音楽が延々とピロピロ流れ続けていたり、自販機のポップな表示等々、

昭和と現代の不思議なフュージョンに感動した。同じ昭和でも純喫茶とはまるで別世界である。


この日の来訪客は家族連れ3人・若い女子1人・ゲーマー1人の5人とまずまずな賑わいで、

やはり自販機の写真を撮っている人がほとんどだった。


退廃的な雰囲気とはいえ、若い女子1人で来るほど有名なレトロスポットなので臆することはない。

少しでも興味を持たれた方は壊れないうちにぜひ訪ねていただきたい。

☆★☆オートレストラン 鉄剣タロー☆★☆

住所 埼玉県行田市下忍315-1

営業時間 24時間営業