システムエンジニアの能力は、大きく分けて、短期能力(要求仕様書を満足させる実装の速さ)と、長期能力(要求仕様書を満足させた上で運用、仕様変更追加時の時短費用抑制まで考慮に入れた設計実装の確実性)があるのだが、SIerでは前者しか評価されない。
これは断言する。
後者は「無駄」であり「将来の売り上げを減らす悪行」として最低評価とされる。
されてきた(実際は、横展時に圧倒的な効果をあげるから、高評価されて然るべきだったのだが、1プロジェクト単位での評価しかしない仕組みになっていたから、毎度学習能力皆無のクソみたいな展開が繰り広げられる。んだが、それも売り上げとしてカウントされるとかいう重ね重ねのクソ仕様)。
でも、自社サービスの場合は前者はむしろ「将来の負債を高利回り複利で積み上げる極愚悪行」。
なんだけど、PMとかがSIer上がりでそういうこと全く理解できてなかったり、経営者は長期的視点に立ててなかったり、というか長期的な影響を予測する知識を普通は持ってないからねぇ。
SIer的な短期能力だけのエンジニアに任せて「弊社は××を利用してたった○ヶ月で新サービスをローンチしました」って腕組みした写真載っけてアナウンスして、エンジニアは昇進して現場を離れた後、運用を任されたチームは数ヶ月も経たないうちに「成功した」と対外発表したうんこを転がし続けることを強要され、リプレース予算が確保されるわけもなく、それどころか改善提案も検討すらされず、毎夜無意味なアラート対応をして、アラートが上がらなかった原因不明の障害の対応をして、ドキュメントを積み上げ、データが増えた途端サービス継続困難になってインスタンスを増やして札束を燃やし続けて、一挙手一投足はおろか瞬き一つにすら文句をつけられる。
ってところ、上場してたりしてなかったりするけど、それなりに知名度の高い企業の中にも結構たくさんある。
本来、そういう状態を回避するために、テスト駆動開発だドメイン駆動開発だマイクロサービスだクリーンアーキテクチャだのがこの十数年、提唱されるようになったのに、SIer出身者やその弟子筋が、こういう方法論が否定した画面帳票駆動開発ベースの発想から離れられないで、全く間違えた実施を行なってこういう状態に陥ってる。
エンジニアの募集要項に「テスト駆動開発、ドメイン駆動開発、マイクロサービス、クリーンアーキテクチャを理解の経験者で、弊社の方針について来れる者」みたいに書かれてるのに、その効果が全く出てないところが多すぎる。
のを、正常化させるのが長期能力を持つエンジニアなのだが、彼らによってもたらされる理想的な状態が、「何もしなくてももたらされる」、障害やなんやが起こって大騒ぎ、仕様変更追加で長期間祭り、みたいな「思い知らされるイベント」が発生しないので、マジで評価されないんよね。
特に経営者。
クラウド課金を1/10にしても、「ありがとう」の一言もねぇ。
そういう経営者、一人や二人じゃねぇぞ。
エンジニアの能力は、デスクトップアプリの時代は10倍とか言われていたけど、その当時のように限られたリソース環境下で出せる差がその程度の限られたってだけで、クラウド時代はリソースが爆増した分、100倍とか1000倍とか差が出るようになった。
けど、特に日本では「同じエンジニア一人に、他のエンジニアの倍とか出すのはちょっと……」ってなる。
能力を判定する能力がない。
だから日本のWebサービスは成長がパタっと止まるんだよね。