SOUTHERN ALL STARS 4枚組CD BOX『すいか』
初めて黄色いスイカを見た時の衝撃は忘れない。
あれはまだ電話ボックスが全面ガラス張りになる前の
上部が窓の様な形状で下半身が見えないタイプ…
駅前交番の側の電柱の下でバナナの叩き売りをしていた昭和時代。
八百屋で見た黄色いスイカは特別感が満載。
黄色い果物といえば黄桃やパイナップルやバナナ…
当時は病気で寝込まないと食べられない高価な果物ばかり。
母に強請って買ってもらった黄色いスイカを
自分で持って帰りたいと駄々をこねたのがまずかった。
八百屋から自宅まで重い球体を運ぶには子供にはあまりに遠すぎた。
途中でバランスを崩して落としてしもうた。
道路に砕け散った黄色いスイカ…一瞬の静寂…
絶望のあまりその場で立ちすくむ…時が止まった…
人生が終わったと悟った…まだ幼稚園児なのに…
人生が終わったと悟った…まだ幼稚園児なのに…
あれから50年以上経つが、いまだに黄色いスイカを見かけると
砕け散った黄色いスイカと東村山での家賃2万円の借家生活を思い出す。
あの日…あの暑い真夏の午後…
アスファルトの道路には陽炎が揺れていた。
アスファルトの道路には陽炎が揺れていた。
「犬は裏切らんからよ…」
中学時代のある日、俳優の井上昭文に似ている老け顔の友人が呟いた。
「こいつ、誰かに嘘でもつかれたのかな?」と思うと同時に
当時は犬と猫の両方を飼っていたわしは「猫も裏切らんけど」とも思った。
帰宅する時間には毎日塀の上で待っていてくれて飛び付いてきたし、
毎晩一緒に寝ていたのでどうしても犬より猫贔屓になる。
居心地の悪い家庭の中で、猫の存在には随分と救われたものだ。
わし自身が家族や学校での煩わしい人間相手よりも
猫や犬との付き合いの方が気が楽だというのもあるし、
女性にはモテないが猫にはわりと好かれるという理由もある。
それにしても暑い…暑すぎるや。熟睡できん毎晩。
本日も熱中症の危険性が極めて高いってか…
いくら日本人が熱き情熱を静かに胸に秘めた国民だとはいえ
40℃を超えるのは心を燃やしすぎだろう…煉獄杏寿郎さんよ。
ものには限度ちゅうもんがある。限界を越えんでよろしい。
まいったなぁ…サウナの様にとにかく暑い。頭痛と吐き気が…
こんなクソ暑い日でもないと洗っても中まで乾かないから、
押入れの肥やしと化した猫のぬいぐるみを洗濯するとしよう。
わしの住む集合住宅では生きた猫は飼えないので
それっぽい猫のぬいぐるみを買ってはみたが、
こいつらいつも寝てばかりで、起きてきやがらねぇ…
喉をゴロゴロ鳴らしてスリスリしてフミフミしてくれ。
怠けてないで全力でわしを癒せ。陶犬瓦解…。
というわけで押入れ行きになっちまった。
猫のぬいぐるみ4匹を数年ぶりに洗濯し乾す。
必要以上に熱い煉獄杏寿郎(鬼滅の刃)
海を見ていた午後 (作詞&作曲 : 荒井由美)
あなたを思い出すこの店に来るたび
坂を上ってきょうもひとり来てしまった。
山手のドルフィンは静かなレストラン
晴れた午後には遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を貨物船がとおる
小さなアワも恋のように消えていった。