またひとり、

 

俺の青春時代を彩った人物が消えた…。

 

失ってから知る感謝と愛情…

 

週末に届いた一通の葉書…

 

差出人…友人の妻…

 

愛する妻と子を残し、君は逝った…

 

現実味がない真実…

 

色褪せてモノクロームに感じる室内…

 

無情に時を刻む時計の音…

 

9月1日…死去…

 

俺の誕生日を選んで君は旅立ったのかい…

 

また会おう。

 

He was called to Heaven.  ドア天使

 

 

最近、やけに沖縄時代を思い出す…不思議だ…

もともと沖縄には強い思い入れがあるにはあるが、

毎日の様に思い出す事はなかったのだが…。

新型コロナウイルスのせいで気持ちが内側に向いているせいだろう。

 

そう思っていた…先週までは…

 

先週の金曜の夜に帰宅すると葉書が…

沖縄県…池村勝也からか…珍しいな…

いや、差出人の名前は勝也ではない…

 

猛烈に嫌な予感…

内容をすぐに読む勇気がなく、

もう何も考えない様にして

テレビをつけて、風呂や食事を済ませ、

今日中にやることは全て終わらせてから、

沖縄大学時代の友人、池村勝也の奥さんから

届いた葉書を読む………………………………………………………

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数年前に勝也本人から心臓が悪くて手術をしたと聞いてはいたが…

そんなに悪かったのか…まさか…あまりにも早い…同い年なのに…

 

上差し 池村勝也と石垣培人や伊佐次郎ら沖縄大学時代の仲間たちと…

 

勝也の奥さんに電話をし、彼の最期の様子を聴く…

 

ずいぶん前から体調が悪く、

1年近くも長く入院していたのだという…

 

「亡くなったのが9月1日なんですね、実はこれ俺の誕生日なんですよ。

勝也の奴、俺を忘れんなよってわざとこの日を選んだのかと…」

 

すると、奥さんが「えー、あっ…そうかもしれないです。

前に心停止になった時は、私の誕生日だったから。」

 

死期を悟った勝也は命懸けで病院を抜け出そうとした。

医師に止められたが、彼は頑として説得を聞かない。

そこまでして行きたい理由を医師から問われると、

「今日は女房の誕生日だ。一緒に食事をすると約束したんだ。」

 

自身の心臓が止まる前に、

奥さんの誕生日を祝う為に、

這ってでも奥さんに会いに行こうとした勝也

最期の晩餐をしたかったのだろう…

病院で死ぬより奥さんの腕の中で…

そして、その日に心停止…

 

自分の命日と奥さんの誕生日が同じだと

この先の奥さんの人生の重荷になると考えたに違いない。

だからこの日に死ぬのはひとまず止めて蘇生したのだろう…

そういう奴だ…あいつはいつもそうだ…勝也らしい…

 

上差し 大学時代の友人の結婚披露宴の余興で女装する勝也

 

勝也よ…

皆に黙って勝手にくたばりやがって…

死ぬなら死ぬと連絡してきてもいいだろう…

女房と子供を守るのが男だろうが、

だったら死んでいる場合じゃないだろう。

あと5年…いや10年は生きろよ大馬鹿野郎。

定年になったら沖縄に遊びに行って、

勝也と一杯やろうと楽しみにしていた

俺の密かな計画をぶち壊しやがって…許さん… パンチ!ムキーッメラメラ

 

なぁ…勝也、悪い冗談だろう?

死んだなんて嘘だろ…俺は絶対に認めんぞ、

今度、会ったらぶん殴ってやる…

あっ駄目だ。あいつ柔道やってたし、

体が俺の10倍でかいから勝てないなぁ…

もう勝也と懐かしい思い出話ができなくなってしまった。しょんぼりむかっ

 

世の中の全てのものは変化を続け、

生まれては消える運命を繰り返す。

変わらぬものなど何も無い…諸行無常… ぼけー汗

 

ひとりの人間の死とともに、未知の世界がひとつ失われる。

                サン=テグジュペリ (1900〜1944)

 

死とは人生の続きであり、人生を完成させるだけでなく、

体をお返しするに過ぎないのです。 

しかし、心と魂はずっと永遠に生き続けます。

                  マザー・テレサ (1910〜1997)

 

上差し 約35年前に勝也から貰った(正確には押し付けられた)ビーチボーイズのLPレコード。

  もう捨てたと思っていたが、昨夜レコード棚を整理したら出てきた。

 

上矢印 勝也が好きなaikoとユーミン。

 

上矢印 勝也が好きな尾崎豊。

 

上矢印 大学生の勝也がギターでよく弾いて歌っていたチューリップの曲。

 

上矢印 当時、勝也とドライブに行くと必ずかける大瀧詠一のアルバム『ロングヴァケーション』