メルカリ購入本59冊目

瀬尾まいこさん
『掬えば手には』



『編む』とか『掬う』とか…

好きだな。


瀬尾さん、読んでいる気がするだけで、

2冊目っぽいことに我ながら驚ろき。


やさしい物語でした。


イヤな人が出てこない…

イヤだな…と大竹店長のことを思っていましたが、

実はイイヒト。

素直じゃなくて、ちょっぴり照れ屋さんなだけ。

そんな店長の過去にもウルッときました。

心の奥の引き出しに

何かしらの痛みを仕舞い込んだ人達。



大学生の梨木匠は平凡なことが

ずっと悩みだったが、中学3年のときに、

エスパーのように人の心を読めるという

特殊な能力に気づいた。

ところが、バイト先で出会った常盤さんは、

匠に心を開いてくれない。

常盤さんはつらい秘密を抱えていたのだった





エスパーのような特殊な能力…も

蓋を開けてみれば、、、ですが、

匠の気配り目配り、やさしさの成す術でも

あるんですよね。

それをエスパーと捉えるあたり、

匠らしいというか。


常盤さんが抱えるものの正体がなかなか

明かされず、結構引っ張ったなぁと

感じましたが、

「常盤さんの方から聞こえる『声』」で、

ピンときましたね。



大学の友人の河野さん香山くんも

素敵な子達で…類は友を呼ぶ、じゃないけど

匠の人徳によるものなんだろうなぁ~って。



いいじゃん。なんとかしてあげたら。

気にかかることがあるなら

動いた方がいいに決まってる。

思いつくこと何でもしてみたら?

空回りでも同情でも的外れでも、

なんとかしたいって気持ちは

間違いじゃないんだから。



触れられたくないくせに、

誰かに知ってほしい。

そんな思いはいくつかある。



勝手に人の心を読んで、

相手をわかった気になるのはたやすい。

勇気を振り絞る必要もないし、

相手も自分も傷つかず恥もかかずに済む。

だけど、

目の前の相手に踏み込むのは難しい。

誤解もわだかまりも照れ臭さも生まずに、

都合よく人の心に触れられるなんてことは

ないみたいだ。



誰かに出会って、誰かが去っていくのは

どうしたってつらい。

だけど、その寂しさを差し引いても、

出会わなかったほうがよかった相手なんて

いない。






春近し…と思ったのに

寒の戻りで冬のような寒さ。

そんな日々に、心暖まる心地よい一冊。


初版本で、出品者さんが初回限定本も

しっかり同封してくださったので

おまけの後日譚もしっかり楽しめました。


大竹店長のオムライス屋「NONNA」で

働く(耐えうる)神経は持ち合わせて

いないけれど、

大竹店長の作るオムライスは

是非とも食べてみたいと思いました。

そして

素敵な奥さんを見つけて、

夫婦でお店を切り盛りするのも素敵だなぁと

勝手に妄想するのでした。



常盤さんも

一年に一度の自分の誕生日を

心から祝えるように、願います。


そして

匠に幸あれ!


河野さんと良い感じなのに…

続編を期待したいけどどうかな。

大竹店長も常盤さんも気になる。


結局

み~んな気になる。