メルカリ購入本54冊目

寺地はるなさん

『川のほとりに立つ者は』




久しぶりの寺地さん

長らく積ん読の山に埋もれていました。
昨年の本屋大賞に
ノミネートされていましたね。


新型ウイルスが広まった2020年の春。
カフェの店長を務める29歳の清瀬は、
恋人の松木とすれ違いが続いていた。
原因は彼の「隠し事」のせいだ。
そんなある日、松木が怪我をして意識を失い
病院に運ばれたという連絡を受ける。
意識の回復を待つ間、彼の部屋を訪れた
清瀬は3冊のノートを見つけた。
そこにあったのは、子供のような拙い文字と
無数の手紙の下書きたち。
清瀬は、松木とのすれ違いの"本当の理由"を
知ることになり……。


ブロ友さんも仰っていましたが
うん、わかるわかる凝視凝視

まお(敢えてこちらの表記で)とは
どんな事情があれ、
絶対に心を通わすことは出来ないと真顔
そして、
松木の両親…母親の態度は
有り得ない、なぜそうなると憤慨しました。
むかつき物申すむかつき物申すむかつき物申す

清瀬のカフェのオーナーさんも
最初は印象悪かったけれど、
きちんと目を配り、気を配っていた人
なんだなぁと見直しました。

清瀬よりも好きだなぁと思ったのは
友人の篠ちゃんにっこり

友人に寄り添い、
でも、言う時には容赦なくしっかりと
自分の考えを伝える。
素敵な友人ですにっこり

清瀬は今、どうしたいのかを問うた時の
清瀬と篠ちゃんのやり取りが好きかな。



親というものはときどき平気な顔で、
人前で自分の子どもを貶す。
謙遜のつもりなのだろうか。
自分の子どもを
自分という人間の一部みたいに
思っているのかもしれない。


この話をこの人にしたら重いかな、
傷つくかな、みたいに、
いちいち細かく話題選んでるやろ。
よく気がつくぶん、人に気を遣う。
でもその気の遣いかた、
まちがってると思う。
だってあんたそのせいで感情を消化できずに
しょっちゅう爆発してるやん。


自分が加わることのできない話題の中で
起こる笑い声は、遠心力だ。
遠いところに弾き飛ばす。


勇気を出して差し伸べた手を
振り払われた瞬間の痛いほどの恥ずかしさ、
いたたまれなさ。
実際のところ誰の手を選ぶかも
手を取るタイミングも、
その人自身が決めることなのだ。
「せっかく助けてやっているのに」と
相手の態度を非難することは、
最初から手を差し出さないことよりも、
ずっと卑しい。


努力ってたしかに尊いけど、
努力だけが正解なんかな。


川のほとりに立つ者は、
水底に沈む石の数を知り得ない。

ん?って感じても、
突き詰めて考えると
とても奥深いお話でした。



松木の友人、樹が抱える障がい
ディスレクシア

全体的な発達に遅れはないのに、
文字の読み書きに限定した困難がある
気づかれにくい学習障がい。
日本人の15人に1人の割合だそうです。

うっすらとした認識はありましたが、
クラスに2人くらいと考えると
決して珍しくなく、
もっと理解される為の試みや発信が
必要なのかもしれないなと思いました。

誰もが生きやすく活きる為に。




『明日がよい日でありますように。』

自分の好きな人には幸せでいてほしい。
その人の未来がいいものであってほしい。
なにも特別な言葉はつかってないのに、
たしかに愛情を伝えられる言葉。