なんだか誤解されそうですが
決して「ケーキ🍰」という言葉に
吸い寄せられたわけではありません。
完全否定できないのが難しいところ。
どことなく
黒地にジェンガをあしらった装丁が
辻村深月さんの『嘘つきジェンガ』が
思い起こされます。
よくよく知ると
2014年に初版が発行されていて
帯にブレイク必至の新鋭が、とあり、
その通りになってますよ~
といった感じです。
前置きが長くなりましたが
本題に…
彩瀬さんの作品
個人的には2種類に分類できるかなぁと。
ひとつは、現実味のあるリアルな描写…
あたかも隣でおこっているかのような
日常の些事がテーマとなっていたり
反して、イメージ…想像を膨らませないと
理解に苦しむ、難しいループが
絡んでいるもの。
私は、スッと乾いた土に
水が染み込むような…
自然と目と頭に入ってくる話の方が
好きです。
彩瀬さんは好きな作家さんですが、
作品によって好き・苦手が
分かれてしまいます。
その点から言うと
本作は好きな感じでした♪
雑居ビルを軸に
五編からなる連作短編集です。
①泥雪…マッサージ店店主
②七番目の神様…カフェバー店長
③龍を見送る…古書店バイト
④光る背中…IT企業OL
⑤塔は崩れ、食事は止まらず…元カフェ経営者
私は④と⑤が特に好きでした。
みんなそれぞれやりたいことをやって、
それなりに満足な日常で…
でも何かが違う?何かが足りない?
不器用さが良い働きをするときもあれば
それにより上手く回らないことも常で…
がんばれ!
がんばってるよね!
何かこう…応援したくなる人達に
たくさん出会いました。
一生懸命なのに
うまくいかない。
そう感じる人に触れて欲しい本です。
もう少し、やってみようかな…と
胸の奥で鼓舞するような
そんな衝動に駆られるのではないでしょうか。
こちらも読後、前向きになれる1冊でした。
大野さんのパンケーキ🥞
食べてみたいな…
スイーツ欠乏症気味であります。